神田祭密着レポート|夜まで続く町内渡御編

神田の街の一大祭事、「神田祭」が5月に斎行されました。
かつては江戸城内も巡行し、徳川幕府も支援した天下祭の伝統が受け継がれたこのお祭りは、祇園祭、天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つです。氏子の人々にとって待ちに待った“ハレの日”であり、地域の心が一つになる場でもあります。

絢爛豪華な行列や、お揃いの半纏で練り歩く地域渡御など、神田祭は地元民でなくても高揚するもの。
今年は4年ぶりの開催ということで、当日を向かえる前からそわそわした空気が神田の街に漂っていました。そんな待ちに待った神田祭を、街の人たちと楽しみたい! あわよくば御神輿を担いでみたい! と意気込んだ「オープンカンダ」編集スタッフが神田祭をレポート。

第3回は、駿河台下交差点での神田中央連合による激しい「もみ合い」から町内渡御を経て、感動のフィナーレまで。最後までみんなで力を振り絞り、神輿を担ぎ切る姿をお届けします。

TOPIC
1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!
6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御

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5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!

お昼休憩の後は、駿河台下交差点で神田中央連合による「もみ合い」が行われます。
「もみ合い」とは、各町の5基の神輿が向き合い、その名の通り、押し合いへし合いしながら自分たちを鼓舞するように祭りを盛り上げるのですが、それがこの交差点でぐるぐると回りながら行われていて、ものすごいエネルギーを持った渦ができあがります。

笛や和太鼓が鳴り響き、観光客も参加者も、ボルテージマックス!! さらにはずっと我慢してくれていた雨が、ここに来て強く降ってきたことも、汗を流す恵の雨というのか、一層ドラマティックな雰囲気でした。

6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御

交差点での熱い「もみ合い」を終えて、錦町エリアに戻ってきた一行。ここから町内渡御です。
神田警察署、学士会館、ほぼ日本社など錦町三丁目内を神輿を担いで転々と練り歩いていきます。

各スポットには、お茶やビール、カツサンドにおいなりさん、ぼんち揚げにチョコレートなど嬉しい振る舞いが用意されていて、ついついバリボリと食べてしまいます。
「おつかれさま!」「頑張ってね〜」と声をかけながらお代わりをくれるスタッフの方々、ああ、お祭りってこうして支える人がいて成り立っているのだな〜としみじみ。各所で振る舞いを受けて、ポケットにはお菓子がパンパンでした(笑)。

ほぼ日本社では糸井重里さんが一本締め!「さあ!まだまだいくぞ〜!」

神田警察前では署長が一本締め! お巡りさんも今日だけはノリノリです。祭りの期間は道路を半分封鎖して巡行、普段は自動車が通る道も祭礼だけは神輿専用道路になっていて、こうして安全に巡行できるのも警察の方々のサポートがあるからなんですね。感謝です!

学士会館のシェフもソイヤ!

編集スタッフ林もおじさまたちに混じって先頭で神輿を担いでいる〜!ソイヤ!ソイヤ!

みんなで最後まで力を振り絞る姿に胸を打たれます…!ソイヤ!
気づけばあたりは暗くなっていて、時計を見ると19時過ぎ。最後に安田不動産の本社に立ち寄り、盛大な振る舞いをいただきます。ここではビールで乾杯している方がたくさん。みんながとてつもない達成感を抱いているのが伝わってきて、編集スタッフも幸福感で満たされます。

そして、一行はスタート地点の神酒所へと戻ります。

「4年ぶりの神田祭、みなさんおつかれさまでした!無事に収めることができました。準備は大変でしたが、みなさんの笑顔が見られて、苦労がすべて吹き飛びました!ありがとうございました!!」と、前田会長の挨拶でまた拍手が沸き起こります。
そして、「祭りののどにも龍角散」のCMに出てらっしゃったという株式会社 龍角散の方が木遣り(きやり)を披露してくださいました。

「えぇ~~、いぃお〜~~~~!」

続いてその声にあわせて会場全員で大合唱!!なんですか、この実にニッポンを感じさせる掛け声は!(感涙)。

木遣りとは元来作業唄で、複数の人員で仕事をする時、その力を一つにまとめるための掛け声、合図として唄われたものなのだとか。みんなで力を合わせて神輿を担いだあとの木遣り、感無量です。
その後、これが本当の最後の最後!三本締めで終わりです!

出発から約10時間、やりきった!と、みんなが拍手でお互いを労います。

まい泉のお弁当をいただいて、神田ポートビルの休憩所でばったり倒れ込む神田ポートのスタッフを激写。みなさん、本当におつかれさまです〜!

踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪ という歌もありますが、祭りって、観るものではなく、参加するものだと改めて実感した一日。
一日中共に御神輿を担ぎ、見守りながら応援して、はじめましての人同士でも気さくに話すことができて、こういった一体感を感じられることも祭りの醍醐味なんだろうし、なにより、街をもっと愛することができる素晴らしいお祭りだと感じました。気分はすっかり神田っ子。いまから2年後も楽しみです!

Text: Kana YOKOTA(BAUM)
Edit: Akane HAYASHI
Photo: Masanori IKEDA, Yuka IKENOYA(YUKAI)

神田祭密着レポート|緊張の宮入り編

神田の街の一大祭事、「神田祭」が5月に斎行されました。
かつては江戸城内も巡行し、徳川幕府も支援した天下祭の伝統が受け継がれたこのお祭りは、祇園祭、天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つです。氏子の人々にとって待ちに待った“ハレの日”であり、地域の心が一つになる場でもあります。

絢爛豪華な行列や、お揃いの半纏で練り歩く地域渡御など、神田祭は地元民でなくても高揚するもの。
今年は4年ぶりの開催ということで、当日を向かえる前からそわそわした空気が神田の街に漂っていました。そんな待ちに待った神田祭を、街の人たちと楽しみたい! あわよくば御神輿を担いでみたい! と意気込んだ「オープンカンダ」編集スタッフが神田祭をレポート。

第2回は、錦三丁目、猿楽町、神保町、小川町、錦連合の各町会の神輿がテラススクエアに大集結! そして神田明神での宮入りまでの貴重な風景をお届けします。

TOPIC
1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!
6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御

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3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式

神田明神に向かう途中で、錦三丁目、猿楽町、神保町、小川町、錦連合の各町会の神輿がテラススクエア集合し、出発式を実施しました。オフィスビルに囲まれた空間が、神輿と担ぎ手に埋め尽くされ、がらりと様相を変えます。トラックの荷台で笛や太鼓を演奏する祭囃子の方々も登場し、さらに熱気が高まります。

5基の神輿が一堂に会すと、拍手が沸き起こります。半纏もそれぞれの町会で特徴が出ていてどれもかっこいい…!

ここでも前田会長からの挨拶があり、みんな揃って一本締め!
異なる町会の人とも一体感が生まれ、宮入りに向けて高揚が増していきます。

その後、神田明神に向かって再出発! 途中、神保町の大通りで神輿をトラックに乗せて御茶ノ水まで移動するという意外なシーンも。交通の規制や距離があるので、こういった神輿ワープも時には取り入れるのですね。担ぎ手と見守り隊はトラックを追いかけてぞろぞろと歩みを進めます。

御茶ノ水では子ども神輿にも遭遇! 一生懸命担ぐ姿が微笑ましい…。ちなみに、子ども神輿も同様、希望すれば地元の方以外でも担ぐことができます。
ワンコも応戦!

4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!

神田明神に近づくにつれて、沿道には観光客の方の姿が見え始め、多くの警察が交通整理をしていました。外国人観光客もたくさん。さすが、日本三大祭です。 

12時過ぎ、いよいよ錦三丁目の御神輿は神田明神へと接近! ベビーカステラや串もんじゃ、焼きそばなど屋台が並ぶ参道を通って大鳥居を抜けて境内へと向かいます。4年ぶりの宮入りに、掛け声にますます熱がこもる担ぎ手たち。見物客のギャラリーに見守られながら、神輿は進んでいきます。

境内に入ると一層厳かなムードに。神輿を神前まで近づけたあと、前田会長が壇上に上がり、「ようやく帰ってきました!」との第一声にみんなが感動。初参加の編集スタッフたちも思わず目を熱くしてしまいました。本殿前にて全員で参拝し、祓い清めます。そして、前田会長の掛け声で一本締め! 爽快な気分です!

神田祭は天平2年(730年)の神田明神創建から数えて約1280年続くお祭りで、その長い歴史の中で、不況や災害、戦争を乗り越えて江戸っ子たちが守り続けてきました。コロナ禍で4年という長い時間が空いたことで、神田っ子がこの日にかける想いや熱量は並々ならぬものと想像します。

この日のビッグイベントの宮入りを終えた後は、小川広場に移動するとおにぎりとお茶が配られてお昼休憩へ。神輿巡行はまだまだ続くので、しっかり腹ごしらえをして備えます。

その3へ続く

Text: Kana YOKOTA(BAUM)
Edit: Akane HAYASHI
Photo: Masanori IKEDA, Yuka IKENOYA(YUKAI)

神田祭密着レポート|はじめての神輿担ぎ編

神田の街の一大祭事、「神田祭」が5月に斎行されました。
かつては江戸城内も巡行し、徳川幕府も支援した天下祭の伝統が受け継がれたこのお祭りは、祇園祭、天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つです。氏子の人々にとって待ちに待った“ハレの日”であり、地域の心が一つになる場でもあります。

絢爛豪華な行列や、お揃いの半纏で練り歩く地域渡御など、神田祭は地元民でなくても高揚するもの。
今年は4年ぶりの開催ということで、当日を向かえる前からそわそわした空気が神田の街に漂っていました。そんな待ちに待った神田祭を、街の人たちと楽しみたい! あわよくば御神輿を担いでみたい! と意気込んだ「オープンカンダ」編集スタッフが神田祭をレポート。

はじめて御神輿を担ぐにはどうすればいい?
実際どれくらい重い?肩が腫れるというけど大丈夫?
そもそも御神輿はどこからやってきてどこに向かっているの?

これを読めば、一度御神輿を担いでみたかった…! という方もこれからは臆せず参加できるはず。
見るだけでは体験できない、神田祭の一歩踏み込んだ楽しみ方を3回に分けてお届けします。

TOPIC
1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!
6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御

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1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り

5月14日(日)、神輿宮入りの当日。朝9時過ぎに「ちよだプラットフォームスクエア」に集合します。今回神輿担ぎにトライする編集スタッフの林は、事前に受け取った半纏に袖を通して現場入り。

この半纏と帯は神田ポートビルがある錦町三丁目の町会からお借りしたもの。半纏を借りるには、神田祭の1週間ほど前から設けられる町会ごとの「御神酒所」に前日までに行きましょう。錦三丁目町会と錦町三丁目第一町会は、ちよだプラットフォームスクエアに御神酒所ができます。
※クリーニング代だけでOKですが、さらに奉納金を包んで持っていけば、もれなく名前が奉納版に掲げられますよ〜!

半纏の下に着たのは黒い長袖とズボン。黒い足袋は自前で準備(エアー入り3000円弱をネットで購入)。半纏一つで、身も心もグッと引き締まるよう。う〜ん、キマってる!

錦三丁目は企業単位で参加されている方が多いそうで、襟に「錦三」と書かれた町会の半纏をはじめ、「安田不動産」「ゆかい」「新日鉄興和不動産」「ほぼ日」などの企業名が書かれた半纏を着た人たちが各所からぞろぞろと大集合してきます。初めての参加でも、お揃いの半纏に身を包めばあっという間に溶け込めます。

女性も想像よりたくさんいて少し安心。髪を高い位置でお団子にして、その上に鉢巻をぐるっと巻いたものを乗せたスタイルがかっこいい!

2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み

10時、担ぎ手たちが揃ったところで、錦町三丁目町会の前田智彦会長と、錦町三丁目第一町会の神田錦町「更科」の堀井市朗会長によるご挨拶。夜まで続く御神輿の巡行に向けて、士気を高めます。

まずは神田祭で最も見応えのあるビッグイベント・神輿宮入りへ。
神輿宮入りには大小200を超える各町の神輿が参加し、それぞれが神田の街を練り歩きながら神田明神を目指します。
さあ、いよいよ出陣です!

「エイサ!」「ソレ!」などの掛け声をかけながら進んでいく姿にこちらも胸が高鳴ります。
足袋を忘れたのか、時折裸足のままの方も!? と思いきや、これはベテランの証とのこと。

錦三丁目の神輿は、担ぎ手と見守り等、総勢150名。ひとまず編集スタッフは、イメージトレーニングを兼ねて担ぎ手たちを神輿のそばで見守ることに。

神輿はかなりの重さがあるため、想像以上にゆっくりと進みます。重さは、担ぎ棒も含めると1トンほどあるのだとか…! 長く受け継がれてきたものということもあり、二重の重みがあります。

当然ながら、重い神輿を最初から最後まで同じ人がずっと担ぐことは到底できません。先導する方が担ぎ手のバランスを見て、だいたい5〜10分ごとに「安田不動産さん入って〜!」などの声掛けがあり、担ぎ手が入れ替わっていきます。 積極的に担ぎたい時は、神輿のそばを歩いて隙間が空いたらさっと入ったり、「もう、限界…」という顔をしている担ぎ手の人と自ら交代しても◯。

編集スタッフ林を発見! 後ろのお兄さんが大きくて、肩に棒が乗っていない感じもしますが…うん、指の腹でしっかり担いでる!!
背が高い人に負担がかかりがちなので、タオルなどを肩に忍ばせているのだそう。

入れ替わり立ち替わりみんなで力を合わせながら歩を進め、最初の目的地へと近づいていきます。

その2へ続く

Text: Kana YOKOTA(BAUM)
Edit: Akane HAYASHI
Photo: Yuka IKENOYA(YUKAI)

なんだかんだって結局なんだった?|路上実験イベントなんだかんだレポート

3月30日、4月1日に開催された路上実験イベント「なんだかんだ」。
「あたらしい神田の縁日をつくろう!」をテーマに、
ご近所の方やゆかりのある方が集まって
あたらしい出会いや体験を楽しむ場がたくさん生まれました。​​

路上を実験するイベントということもあり、
普段は見られないようなあんなことやこんなことが次々と起こった二日間。

果たして「なんだかんだ」とは、一体なんだったのでしょうか?
神田の一角で生まれたさまざまな光景をレポートでお届けします。

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ドキュメンタリードラマはこちら▼
(YouTubeにリンクします)

監督・編集・撮影 菊池謙太郎
撮影(動画) 添田康平
撮影(写真) 池ノ谷侑花、濱野まり子、池田晶紀

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▶︎SCENE 1
街の人の協力があれば、路上に畳をたくさん敷ける

なんだかんだの大きな求心力となった畳たち。
路上に敷くなんて、おそらく畳も驚いたことでしょう。
前代未聞のチャレンジングな試みでしたが
町会や警察署の協力により実現しました。

畳を敷けることになったものの、広〜い路上に敷き詰めるとなると一大事!

かと思いきや、
畳を待ち構える行列が。
ボランティアの学生のみなさんの出動により
瞬く間に敷かれていきます。
特に打ち合わせしていないのに、きれいなまでの流れ作業。
すいすいと敷かれていく様子はもはや心地よい。
おかげで100枚以上の畳が数分で設置完了!

作業はあっという間でも、みんなで敷くと達成感もひとしおです。
たくさんの準備ののち、いよいよ舞台が整いました。

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▶︎SCENE 2
畳を敷くと、〇〇が起きる

畳を敷いてみると、
あちこちでさまざまなことが起きていきました。
街中に畳があるという光景は、日常ではそうあり得ない不思議なものですが
すんなり馴染んでしまうのは神田の土地柄か、畳のパワーか。

畳を中心に繰り広げられたあれこれをダイジェストでご紹介します。

畳に入ってしまえば、路上でも周りを気にせず無になれる。
畳の上では、赤ちゃんも身を委ねてのびのびできる。
畳を敷けば、ギャラリーがお茶の間になる。
畳でかるたは当然に盛り上がる。
畳で書道は当然に落ち着く。
畳があるとおしゃべりが弾む。
畳があると、読み聞かせに集中できる。
畳に茶道の精神が揃えば、結構なお手前をじっくり楽しめる。
畳があると、身体をめいっぱい使って踊れる。
畳なら、こんなに大胆になっても大丈夫。
畳をフロアに、DJプレイができる。
畳のそばに脱いだ靴が並ぶと、
誕生日会で同級生たちが家に来た日みたいでわくわくする。

屋外なのに、いや屋外だからこそ
ポテンシャルがおおいに発揮された畳。

畳には、懐かしくほっとする心地よさと
あらゆることを受け入れる懐の深さがありました。

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▶︎SCENE 3
道のたのしみ方いろいろ

なんだかんだは、神田の道のおもしろい使い方を考え、
あたらしい出会いや体験の場となることを目的とした
「実験イベント」​​ということもあり、道の使い方も実にさまざまでした。

ここから道の様子をご紹介。

通り沿いのビルも使って、ダイナミックに演劇ができる。
みんなの視線を感じつつも、プロに写真撮ってもらえると嬉しい。
文房具が並んでると、なんだかときめいて引き寄せられる。
道路の袖に芝生があればモルック大会が開催できる。
サウナチャンピオンだって開催できる。
道端で右ストレートを披露すると拍手がもらえる。
道にお店が並べば、あっという間にお祭りムードになれる。
道端で、超老舗店にふらりと出会えるとより嬉しい。
道路の上でも神社は出張できる。
竹尾の紙絵馬が並ぶと道が華やぐ。
路上であっても、全身を委ねるハンモックは気持ちいい。
最先端のモビリティに乗れば、優雅に神田の街並みを楽しめる。
道端でも工作大好き。
ちょっと開けた場所には即席でプレーパークだってできる。
道の一角でも神輿を担げばたちまち熱気に包まれる。

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神田の道の上が一人一人にとっての
「あたらしい出会いの場」になってほしいという思いではじまったなんだかんだ。
たった二日の出来事でしたが、同時多発的にこんなにもの光景が生まれ
あたらしさとうれしさが溢れる場だったように思います。

なにより路上でたのしいことが起きていると、
歩くたびにたのしい光景がすぐに目に飛び込んできて
街自体がその空気に包まれていきます。

たのしいことを考えて披露した皆さんと、たのしく過ごす皆さんが出会う様子に
たくさん触れることができた、なんだかんだでした。

Text: Akane Hayashi(BAUM LTD.)
Photo: TADA(YUKAI), Mariko Hamano

神田いらっしゃい百景|竹尾 見本帖本店

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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竹尾 見本帖本店
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-18-3
アクセス:
地下鉄神保町駅 A9出口より徒歩8分
地下鉄竹橋駅 3bKKR出口より徒歩5分
地下鉄新御茶ノ水駅 B7出口より徒歩8分

訪問者 林亜華音
オープンカンダ編集スタッフ。
制作の仕事は大変なことが多いけれど、紙選びはいつも楽しい。

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
もう取り扱い終了してしまったようですが、
「桃はだ」という本物の桃のような
触り心地の紙がすきでよく撫でていた思い出。

なんだかんだ ふたりの町会長と街あるき

2023年3月31日、4月1日に開催がせまる路上実験イベント「なんだかんだ」。
神田ポートビルと神田スクエアを会場に、神田の道のおもしろい使い方を考え、たくさんの人をつなぎ、あたらしい出会いや体験の場をつくります。

ふたつの会場は歩いて5分ほどと行き来しやすい距離ですが、当日はそれぞれの会場を巡回をするモビリティが登場。モビリティに乗って風景を楽しむのもよしですが、街の歴史を感じながら回るともっと楽しいのでは?
ということで、イベント開催に先立って町会長による神田の街歩きツアーを決行。
春の訪れを感じる陽気に、どこか色めき立つ街をぐるっと巡りました。

当日お越しになる方はこのレポートとともにお楽しみください。

〜案内してくださった人〜

〜なんだかんだ 会場MAP〜

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学士会館の前に参加者の皆さん集合。
この日は5月くらいの暖かさで、絶好のお散歩日和です。
前田町会長が用意してくださったガイドを片手にいざ出発。
錦町コーデでいらっしゃった前田町会長。
隣りの大きなブロンズ製のモニュメントは、「日本野球発祥の地」の碑。
かつてこの地にあった第一大学区第一番中学で
アメリカ人教師が学生に野球を教えたのが始まりだそう。
この日は日本中が湧いたWBC優勝直後ということもあり、石碑も一層輝いて見えます。
学士会館の建物は、1928年に竣工したもの。
ドラマ「半沢直樹」で土下座が行われた部屋があり、中も立派です。
いまでこそきらびやかな印象ですが、
火災や震災による2度の全焼を経ていまの姿があります。
さらに学士会館をぐるっと回っていくと…
生垣の間に「東京大学発祥の地」の碑と
新島襄生誕の地の碑が。
このあたりはかつて蕃書調所(江戸幕府直轄の洋学研究教育機関)があったり
上州安中藩の江戸上屋敷だった背景があったりと、
あらゆる物事がはじまった地である学士会館。
学士会館を後にし、桜を横目に神田警察通りを歩いて行きます。
通り沿いにある神田税務署は、かつて錦輝館という大規模な多目的会場があり、
1897年に東京で初めて映画上映が行われた場所です。
(税務署からは到底結びつかない歴史…)
当時は三等席でも盛りそば11枚相当の料金だったのだとか。
こちらは東京電機大学の創立者でもある、
廣田精一​​が立ち上げた電気科学系出版社のオーム社。
紙の専門商社の老舗、竹尾も100年以上神田錦町に本社を構えます。
一見ビルが並んでいるように見えますが、実は古くから高校もあります。
こちらは1896年創立の正則学園高校。部活動が盛んで、最近は花いけ男子部が有名。
そのお隣には錦城学園高校。1880年に創立し、1889年に神田に移転しました。
100年以上もの歴史を持つ場所が次々と現れる驚き。
そしてなんだかんだの会場、神田スクエアに到着。
この石はもしかして…
電機学校(後の東京電機大学)発祥の地の碑でした。石碑多し。
日本で初めてテレビの公開実験が行われたのもここなのだそう。
一方で、町会長たちが子どもの頃はここがラジオ体操の会場だったとか。
野球、大学、テクノロジーと発祥のジャンルが多岐にわたる神田錦町、奥が深い。
続いて神田スクエアからすぐの老舗そば店、更科へ。
ランチタイムが明けたばかりのお店を抜けて堀井町会長が合流です。
更科の前にあるビルもかつては映画館で、
神田の町にはどこにでも一軒は映画館があったのだそう。
神田錦町三丁目にあった「南明座」という映画館は
そのさらに昔、南明館という勧工場​​(百貨店の前身のようなもの)で
↓のような立派な建物があったようです。見てみたかった…
『風俗画報』増刊 第193号「東京名所圖會 神田區之部 上巻」
(明治32年7月25日発行)
堀井町会長はアドリブの案内スタイル。ずんずん紹介してくれます。
ビルの隙間にひょっこり現れる五十稲荷神社。400年(!)以上鎮座する神社。
なんだかんだでは、神田スクエアに出張所をつくり、限定御朱印スタンプを行います。
左にある社殿・社務所は、次の100年に向けて2021年に建てられたのだそう。
やはり神社は見据える時間のスケールがすごい。
なんだかんだのポスターも貼ってくれていました。
神田スクエアの方へ戻ります。
敷地内を見ると、ここにもひっそりと豊川稲荷がありました。
明治時代にこのあたりで立て続けに火災があり、社殿も荒れ果てていたところを
町内の有志が集まって清掃修復を行い、以来残り続けているそうです。

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徒歩5分圏内をあちこち巡ってあっという間に1時間。
町会長のお二人の話には、この街に生まれ育ち、これからを考えているからこその想いが溢れていて、歩いたり調べただけではたどり着くことができない、街の一面を見ることができました。

ツアーの最後に、堀井町会長がこうお話ししてくださいました。
「当時の街の商人は、あらゆるものに神が宿ると考え、植物から建物まで街にあるものすべてを大切にしていました。時代とともに街の風景は変わっていきますが、いまの時代の人にも街を大切に思う気持ちは変わらず持ち続けて、もっといい街にしてほしいと思いますね」

街の歴史は自然に積み重なるものではなく、実際に過ごし、残し、語り継ぐ人の存在が欠かせません。
街のみなさんとあたらしい出会いや体験をつくる「なんだかんだ」も、神田の歴史をつむぐ特別な日となりますように。ぜひお誘い合わせの上、お越しください!

Text: Akane Hayashi(BAUM)
Photo: Yuka IKENOYA(YUKAI)

#1 「地図+サウナ」|清水みさとさんと歩く、入谷から神保町まで1万歩コース

カレーの街として名高い、神田。学生が本を片手に、スプーン1本で簡単に食べられるということから、カレーの需要が高まったという。読書のおともにカレー、新幹線旅行のおともに駅弁、ドライブのおともに音楽。おともがあると、楽しみもぐっと増す気がします。この企画では「〇〇のおともに」をテーマに、あるものとあるものをたし算することで広がる神田のたのしみ方を、その道のプロフェッショナルをお迎えして紹介します。

第一回目にご登場いただくのは、屈指のサウナ好きとして知られる女優の清水みさとさん。実は彼女、意識的に1日2万歩歩くという”さんぽのプロフェッショナル”でもあります。後に入るサウナをより気持ちよく味わうために、Googlemapを片手に歩きまくる━。脚がクタクタになるまで歩いたのちに到達する最高の”ととのい”とは。サウナセンターから神田ポートまで、さんぽの達人が地図を片手に行く、大さんぽの始まりです。

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地図は”くすぐられる!”の記録と、”だいたい”の目印

「せっかくだからサウナを横断するルートで!」とみさとさんのご提案もあり、今回は外から神田に踏み入れるかたちで入谷からの出発。

いってらっしゃい〜!と手を振る吉田さん。

お見送りに来てくれたのは、都内サウナーの聖地「サウナセンター」の吉田秀雄さん。「ここから神田ポートまで歩くの!?」と驚かれつつ、元気よく送り出していただきました。

早速スマホを取り出すみさとさん。と、ここで驚きのひと言。「実は今日の朝で1万歩歩いていて!新宿から次の仕事がある渋谷までなら歩けるなって」

どこかに行く時は最寄り駅ではなく目的地まで徒歩30分圏内の駅で降りることを習慣にしていたり、1時間半以内で歩ける範囲を自分の”だいたい歩ける円”として地図上で把握していると言います。忙しい合間をぬって歩くことはもちろん、早起きをして1日のスタートを早めにきることで意識的に歩く時間を確保しているんだとか。

次に地図アプリを開き、大まかな道順を考えます。

現在地から神田ポートまでを調べると57分。「1万歩歩くには大体1時間40分」とさらりと教えてくれて、寄り道をしながら歩くことに。

地図には、みさとさんが普段のさんぽで気になったお店や、知人からのおすすめされた場所が「お気に入りスポット」としてピンで登録されています。その数なんと、700個以上!今回はその中から、入谷から”だいたい”南下したところにあるかっぱ橋道具街(以下、かっぱ橋)に惹かれ、歩き出します。

荷物はトートバッグに、貴重品は斜めがけのサコッシュに入れて持ち歩くと両手が空いて、スマホも取り出しやすい
「道を間違えても全然気にしないですね。だいたいの方向に進んでいって、時には道順にはない歩道橋に上がって眺めを楽しんだりして。”だいたい”だから土地勘も育つんだと思います」
●広く見て、ときには足を止める

みさとさんの穏やかなおしゃべりと軽やかな足取りに誘われるままあっという間にかっぱ橋の入り口に到着。

包材、家具、電子器具、キッチン用品。業務用の大型製品から小さな雑貨までが揃い、食品のプロから長年にわたり愛され続ける問屋街です。

かっぱがモチーフの「かっぱ橋」
到着〜!
店頭に並べられた不揃いな小瓶。なんだか見覚えのある模様も

目を引く品々が並んでいるとついついお店に注目してしまいますが、実はこの通り、道路の向こう側の景観にもレアな面白さが。窓側にとんでもない数でマネキンがずらりと並べられたショーウィンドウや、巨大なカブトムシが外壁を這うマンション…。どうやらみさとさんも気づいたご様子。

左右上下、360度見渡しながら、時には歩みを止めながら街に目を向けると、小さな驚きやたのしみに出会えるのかもしれません。「信号で止まるときも何かあるかなとついついキョロキョロしてしまいます」とみさとさんも言います。

“偶然”に会いに行く、余白の時間

かっぱ橋を過ぎ、浅草を超え、田原町駅にあたったところで、そろそろ神田を目指して東に方向転換。日も強まり、だいぶ温まってきました。

そもそもみさとさんはいつからそんなに歩くようになったのでしょうか?女優というお仕事柄、体型維持という理由も予想がつきますが、彼女にとって歩くことは今の忙しいシティライフを送るなかで自然と習慣づいたと言います。

「サウナもさんぽも言わば無駄な時間。だから目的がないことを避けたり、常になにかしなきゃ!と日々考えている人からすると、すこし怖い時間だと思うんです。でもその余白の時間を自ら確保しにいくことで、予想外の景色に出会ったり、たまたまその場に居合わせたひとたちの交流が生まれる。偶然が生んだ産物がそこらじゅうにあって、その体験にくすぐられるんですよね。くすぐられたいからさんぽを選ぶ、という方が的確かもしれません」

田舎の広さや穏やかさはないかもしれませんが、一歩踏み出せば何かしらが待っている、疲れたら電車にもすぐ乗れる「都会」だからこそ、歩くことがルーティンになり得るようです。

後ろには中央線の電車。「田舎ほど歩けないんですよ、不思議なもんで!」
神田に突入。秋葉原駅を超え、万世橋でひと休み。ビル群の間からのぞく夕日が美しいスポットです
●歩いて自家発電! 摂取と発散は同時にする

神田エリアにようやく踏み入れ、そろそろ小腹もすいてきた頃。甘味好きのみさとさんもしっかり地図上にピンを落としていた、あの有名店に入店。

神田淡路町の「近江屋洋菓子店」。昔ながらの洋菓子・ケーキ・デザートはシンプルでありながらとても可愛らしい。季節毎に販売されるケーキに使用されるフルーツは毎朝青果市場で仕入れているという
食べる場所に迷っていると、すぐ側にちょうどよさそうな広場を発見
「ワテラス(WATERRAS)」
選んだのは「白苺のタルト」。箱から取り出しただけで甘酸っぱいフレッシュな香りが漂います
木漏れ日の下、ケーキを食す。幸せ

気づけばゴールまであと少し。エネルギーも補給したところでまた軽やかに歩き出します。

自分の体で自分をあたため続ける、さんぽ。「じわじわ暑い、蒸されている」という感覚はサウナを思わせるほどです。ただ違うのは、自分自身が熱源となり、摂取と消費を繰り返すことで身体の循環を生み出しているということ。

歩くことで身体と心が軽くなることを日々実感するというみさとさん。その偉大さにあまりにも感銘したのか、思わず「歩く(スペース)すごい」でネット検索をしたこともあると話します。

「『偉人はだいたい歩いている』という記事が出てきたときはすんなり納得しました。フィンランドでビジネスミーティングをサウナの中で開く文化に見られるように、何かを取り入れるときに同時に発散もできていれば、受け皿に常にスペースがある状態でインプットを迎え入れられるんだと思います。さんぽも似てますよね」

さんぽ旅も終盤へ。西日が差す、神保町の「神田すずらん通り」
お昼どきの賑やかさも落ち着いて、とても歩きやすい
言わずと知れた本の街、神田。長い年月をかけすっかり街に馴染んだ老舗古書店に立ち寄り、本の手触りを楽しみます

すずらん通りを抜け、神田ポートを目指す間のオフィス街に突如現れた緑のトンネル。新緑に囲まれ、季節を感じながら外でのひとり時間を確保することができるのもさんぽの醍醐味です。

よい”気”を感じる場所では一足を止め、頭を休める時間をとります
オフィス街でも自然と触れ合えるよう、神田には多くの植栽が。日陰がありがたい
この道は見覚えがある…ということは…?

そして「ゴ〜〜〜ル!」神田ポートに到着しました!玄関先のベンチに腰を降ろすと、心地よい脚の重みを感じます。万歩計アプリを確認すると、しっかり1万歩歩いてる…!達成感に満たされる編集部ですが、よく考えればみさとさんはこの倍歩いているのか〜、と感心を隠せません。

神田ポート前で記念写真。まだまだ歩けそうなみさとさん
今日もたくさん歩きました
ここからも楽しみどころ。体がまわっているままサウナに直行します
●”ととのう”とは自分にとって”ちょうどいい”状態

さんぽを終えたその足でサウナへ直行したみさとさんに今日の感想を伺います。

「たくさん歩いた状態でサウナに入ると、ととのった状態に達するのがいつもより早いんです。ゆっくり運動をしたことで体はすでに循環しているし、頭の中も整理できている。いつもはまずは体を温めることやあちらこちらに向いている気を落ち着かせることから始まりますが、直前まで歩いていると、その工程をある程度スキップしてサウナに入れるんですよね」

ととのった状態までなかなかいかず、サウナは暑くて苦手だと感じるひとにも、歩くことでまた違った体感があるのかもしれません。そもそも”ととのう”とはどういうことなのでしょうか。みさとさんいわく、それはあくまでも「自分にとってのちょうどいい状態」だと言います。

「それぞれの感じ方があって当たり前。暑い興奮状態から急に冷却されたときに起こる身体の急転で飽和状態になることを『ととのう』というひとも多いと思います。ただ私にとってそれは体の嫌な熱が放熱されて、自分にとってちょうどいいバランスが取れている状態。サウナに入って水風呂から上がったときの均衡感覚を日常にもいかしたいと思っています。最終的には自分が気持ちよければよい気がしますけど!サウナもさんぽもそういうことじゃないですかね」

SaunaLab Kandaの休憩スペース。まるで湖のほとりで森林浴してるような心地よさ
湯上がりにはお土産で買った、近江屋洋菓子店の名物「フルーツポンチ」をいただきます
大ぶりの果物にすっきりとした甘さのシロップが絡む絶品

入谷から神田まで、地図を片手に1万歩。あえてスタート地点を遠くしたり、”だいたい”の方向を把握したり、気になる場所を記録したり、さんぽをたのしむ上での地図の使い道はまだまだありそうな予感がしました。普段は電車で通り過ぎるためにまだ知らないあの場所や、忙しさのあまり後回しにしてしまう自分と向き合う時間は、案外”歩く”というシンプルな選択を通して、毎日のなかに取り入れられるのかもしれません。

自分にとっての”ちょうどいい”心地よさを求めた先に、サウナと歩くことで毎日の循環をつくりだしているみさとさん。「地図のおともにサウナ」。聞き慣れない響きですが、その相性はかなり良さそうです。

さて、次は神田でどんな〇〇+〇〇をたのしみましょうか。

アートがそこにある理由|
サウナラボ神田に浮かぶ、小さなランドマークの話

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神田ポートビルに足を踏み入れると、さまざまなアートピースが設置されていることに気がつきます。空間を絶妙な存在感で彩り、それぞれ独立した作品でありながら、互いに心地よく調和しているのが印象的です。

中でも、地下一階のサウナラボ神田の休憩スペースでふと目に留まるのは、柱に設置された2つの不思議な形の作品。丸みがあってあたたかな印象を受けますが、周囲にはそこはかとなく緊張感も漂っています。
手がけたのは、アーティストの小木曽瑞枝さん。自然や日常の風景から作品を生み出してきた小木曽さんですが、こちらの作品はどのように生まれたのでしょうか。写真家であり、神田ポートビルのクリエイティブディレクターを務める池田さん、サウナラボのスタッフである岡さん、ジュンコさんとともにお話を伺いました。

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小木曽瑞枝(おぎそ・みずえ)
東京都生まれ。96年東京芸術大学大学院修了。平成19年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンに滞在。風景の観察を通じ、未知と既知の狭間にある世界観を平面や立体、インスタレーション作品として発表。パブリックアート・コミッションワーク多数。https://mizueogiso.com/

●「ここ」を規定するために、小さなランドマークを置いてみる

――小木曽さんには神田ポートビルの屋上と、地下のサウナラボに向かう階段の部分にも平面の作品を制作いただいていますが、この「タテヤマ」と「ヨコヤマ」の2点は立体作品です。いろいろな形が組み合わさった、とても不思議な形をしていますよね。

サウナラボに向かう階段部分と神田ポートビルの屋上にある作品「山とその間」
サウナラボ神田の柱に設置された作品。右がヨコヤマ、左がタテヤマ

小木曽:これは山の形がテーマになっています。一昨年まで新潟県長岡市に6年暮らしていたんですが、長岡の景色の中には豊かな山があるんです。あるとき、自分が見ている山の裏側にも山があることをふと思い出して。当然ではあるけれど、見えていない側が、見えている側の裏にあるんだなと。そこから、表と裏がある、こちら側とあちら側でイメージの異なる作品をつくってきました。

神田ポートビルで作品をつくるとなって、ここの屋上から神田の街並みを見たとき「やっぱり山はないな」とは思ったんですけど(笑)。でも、神田ポートビルって「此処に居て果てを想う」場所だなというイメージがあって。

――「此処に居て果てを想う」……!

小木曽:サウナーの皆さんならわかっていただけると思うんですけど、いきなりそんな抽象的なこと言っても難しいですよね。そのイメージを皆さんにも共有しようと思って、今日は吉田篤弘さんの『つむじ風食堂の夜』という本を持ってきました。みなさんに朗読していただこうかなと。

同席したメンバーはそれぞれ本を手にとって、順番に朗読をすることに。作中では、登場する物書きの先生である「私」と、「果物屋の彼」との印象的な会話が繰り広げられています。





「つまりですね、果てを考えるということは、すなわち、ここを規定することになるんです。ここがどこまで続いているのかを示すことが出来れば、その先が果てですから」
「じゃあ、規定すればいいわけだね」
「いや、だから先生、さっき訊いたじゃないですか。ここってどこのことですか?って」
「ああ、そうか」
「でも、先生も僕も答えられませんでした」
「どうしてなんだっけ?」
「たぶん、こんなふうに考えれば考えるほど、ここがどこまでも拡大されてしまうからなんです。宇宙というのは、人が考えるぶんだけ拡がってゆくもので、それが怖いところなんです。だから仕方なく『果てはない』という結論を出してごまかすんですが、そうなると今度はここが消滅してしまいます。果てがないとなると、ここだってないわけですから」

吉田篤弘(2005)『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫、pp.166-167)



小木曽:いま自分が存在している「ここ」という場所を規定しないと果てがなくなるという捉え方が、さっきお伝えしたことをとても説明しやすくって。

岡:分かるかもしれません。サウナに入ると、自分がここにいるのを実感するというか……。

池田:絵を描く人って、見えないものを想像しているわけじゃないですか。それって、サウナに入って自分の内側を想像する、感じることにもつながっているのかもしれないですね。

小木曽:確かにそうかもしれません。でも、自分が「いまここにいるんだ」と実感することって、滅多にないですよね。ここにいるけど、頭は全然違うことを考えちゃうというか。だから、「ここ」を規定するためのランドマークを置きたいなと思ったんです。ランドマークといっても、東京タワーのように大きく目立つものではなく、小さな目印のようなもの。

小木曽: 作品は5つの石、エレメントから構成されています。原初的な要素を組み合わせてできた小さな山を、「事のはじまり」の山として、地下に埋めてみるのはどうだろうと。

――この丸みにも、意味があるんでしょうか。

小木曽:水によって薄く削られた浜辺の石とか、枯れてヨレヨレになった葉っぱとか、有機的な形に興味があるので、自然と丸みがある形になっているかもしれません。

ジュンコ:作品を初めて見たとき、頭の中で勝手に意味付けしちゃってました。温浴施設なので、男性・女性を意味しているのかな?とか(笑)。

小木曽:面白い!そうやって想像してもらっているのはすごく嬉しいです。

――側面の色は、どのように決められたのでしょうか。

小木曽:色は温度をもったものだと思っています。とても暖かく、とても冷たく、とても暗く、とても明るい色をつくりたくて。試行錯誤しながら最終的にこの色になりました。

小木曽:作品は、表面と裏面が両方見えるように、壁に突き出す形で設置することにしたので、側面に色を集中させています。板面のところは色は塗らずに、側面の間だけで見せる作品にしようと思って。

●取るに足らない、ひそやかな存在に惹かれて

小木曽:長岡にいた時よく行っていた温泉に、キジの剥製があるんです。あと、オルゴール調のJ-POPがBGMとして流れてる(笑)。それが自然、且つ主張する感じに目と耳に飛び込んでくる、その小さな断片がとても良いんですよね。取るに足らないものだけど、ないと味気ないものになってしまう。それがあるからちょうどいい、みたいな……。

――なんだかわかる気がします。動物の置物とかお花とか、普段そこまで意識しないけれど、ないと違和感があるようなもの。

小木曽:この作品もキジの剥製的ではあるんですけど、それで大丈夫だなと思って。自分が惹かれているのはこういうものなんだ、と。

池田:この影がいいですよね。今おっしゃっていたことも、影の存在が際立たせているように思います。

小木曽:影がないと、実態として形をなしていないことになりますから。すごくリアリティが出ましたよね。

池田:でも、「キジの剥製」って、わかりやすいですね。ほとんどの人は見逃しているかもしれないけど、気がついたらいるよねってもの。

小木曽:そうそう。何を置くかって、場や土地の特徴が色々と出るから面白いですよね。キジの剥製だって、もともとはその場所に生息しているキジだったり。今度温泉にいったら、ぜひ調度品とBGMを気にしてみてください(笑)。

Text: Mizuki Matsuzawa
Photo: Masanori Ikeda(YUKAI)

アートと共に神田をめぐる。
東京ビエンナーレ2020/2021 体験レポート

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東京の街を舞台に開催される国際芸術祭、「東京ビエンナーレ2020/2021」。 世界中から幅広いジャンルのアーティストが集まり、各地域や場所に深く入り込むことで生まれた作品が街中で展示されています。
今回は東京の千代田、中央、文京、台東の4区で60以上の作品が展開されており、神田もその舞台の一つ。それも商店や道路、雑居ビル、学校などが会場になっているのです。
この機会だからこそ入ることのできる場所もあって、新しい扉を開くワクワク感もあります。

そんな東京ビエンナーレ仕様の神田を見逃すまいと、オープンカンダの編集チームで1日たっぷり巡ってみました。 今回はその体験レポートをお届けします。

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● 元中学校のアーツ千代田3331から出発

夏真っ盛りの8月上旬。
暑さ対策を万全にして、まずは末広町駅から歩いて3分程にあるアートセンター「アーツ千代田3331」へ。向かいにある総合インフォメーションセンターでチケットを購入し、いざ出発です。

アーツ千代田3331は旧千代田区立練成中学校を改修して生まれた場所で、外観も中もほとんど学校そのままです。
校舎の懐かしさに高揚しつつあちこち歩き回っていると、廊下や階段に展示された作品に出会えました。

《「抱っこ紐に次男、ベビーカーに長男」では 無理ゲーなダンジョンの攻略方法》藤原佳恵
《大きい小さい人》栗原良彰

東京のまちをRPGゲームのダンジョンに見立てて、子連れでの外出をポジティブにする方法を提示する作品や、絵画のプレゼントと引き換えに家族の晩ご飯への招待してもらうプロジェクトなど、東京という社会との結びつきをさまざまな視点、切り口で見ることができます。

《家族との晩ご飯へ贈られる絵画 東京編》アリーナ・ブリゥミス+ジェフ・ブリゥミス

見た目は学校ですが、作品を通していろいろな世界へと誘ってくれるアーツ千代田3331。
作品の他にもミュージアムショップが充実していたり広場もあって、いくらでもいてしまえる空間でした。

●作品から作品への道中も、街を堪能

アーツ千代田3331を堪能した後は、続いて小川町方面へ。
少し歩きますが、グラフィティを見つけたり定食屋さんでお昼を食べたり、ゆったり寄り道しながら向かいます。

途中、万世橋で鑑賞スポットがありました。
普段と変わらない橋からの景色ですが、AR SQUAREというアプリを起動してカメラを向けてみると…

《Small Mountain in Tokyo》山縣良和

オフィスビルやカラオケ店の奥に、むくむくと小高い山が現れます。
これは、かつてこの地にあったという神田山。江戸時代に日比谷の入江を埋め立てるために切り崩されてから、すっかりその面影はありませんが、ARを通して昔といまが融合した風景を眺めることができるのです。

このように次の目的地を目指しながらさまざまな街の景色を眺めるのも、東京ビエンナーレの楽しみのひとつと言えるかもしれません。

●ビル群の狭間で古くから残る商店へ

次に到着したのは、色とりどりの看板がかわいい、額縁屋「優美堂」。
閉店してから廃墟化が進んでいたというこのお店ですが、改修してコミュニティスペースとして再生するプロジェクトが立ち上がっています。
会期中も展示やワークショップが進行形で行われていて、コミュニティスペースになるまでの過程をオープンに見ることができます。

《優美堂再生プロジェクト ニクイホドヤサシイ》中村政人

プロジェクト名になっている「優美堂再生プロジェクト ニクイホドヤサシイ」は優美堂の電話番号「291-8341」が由来。これまで出会った電話番号の中でも、群を抜いてニクいほどチャーミングな語呂合わせです。

扉を開くと壁には額装された作品がずらり。
どれも優美堂製の額縁にプロジェクトに関わる人やアーティストによる作品が飾られていて、額も作風も多種多様です。

壁一面の作品だけでなく、建物は地下一階にある元防空壕から再生プロジェクトの中で新たにできた屋上のオープンデッキまで入ることができ、見所満載。

優美堂の看板上部は富士山の形になっているので、急な階段を上がって屋上にたどり着いたときにはどこか登頂気分が味わえます。

戦後間もない頃に開業し、閉店を迎えながらもまた再生プロジェクトが立ち上がって、いまもこの場所に残る優美堂。
ビルの狭間に小さな光を放って立つ姿に、この街の歴史を垣間見た気がしました。

●雑居ビルの中に広がる、所在のない都市の片鱗

優美堂の次は、同じ通り沿いに立ち並ぶ雑居ビルへ。
クリニック、リラクゼーション、雀荘と一緒にあるのが東京ビエンナーレの会場です。
白いビルに一層映える黄金のきらびやかなエレベーターに乗り込んで、少しドキドキしながら最上階へ向かいます。

9階に着いて小さな扉抜けると、壁一体をぶち抜きにされたフロアに巨大な街灯がお出向かえ。
その他にもこれは一体どこにあったものなの?というような標識や看板が置かれています。

《東京Z学》東京Z学研究所

ここで展示されているのは東京Z学というプロジェクトによって集められたもの。
ボロボロのカラーコーンや昔の商店地図など、ほとんど機能性を欠いた、ある意味絶望(=Z)的な状態だけれど、独自の存在感を持って街に留まり続けているものたちです。

誰の手にも目にもほとんど付かずに取り残されていたものたちですが、こうして集められると、どこかで見たような素朴で馴染みある存在に思えてきます。
そしてきっとまだまだZ学的なものは街に眠っているはず。

名もなきものをこうして定義づけられることで新しい視点が得られた気がして、街に出るのがまた楽しみになりました。

●夏休み期間中の高校を大胆に展示

最後は神田ポートビルのご近所、錦町三丁目にある私立男子高等学校・正則学園へ。

外壁には輝かしい部活の功績がずらりと張り出されていて、自然と背筋が伸びます。

エントランスを抜けるとすぐスタッフの方に7階の体育館へと案内してもらいます。
都会の高校は7階に体育館があるんだ…と思いつつ中へ入ると、ポートレートがぎっしり。

《いなせな東京 Project》池田晶紀

ここは神田ポートビルのクリエイティブディレクターでもある写真家・池田晶紀さんによる「いなせな東京 Project」。 “神田っ子”をモデルにポートレイトを撮影する企画で、2012年から継続してきたということもあり、その数は圧巻です。

この街に点在しているさまざまな顔がこの体育館に一挙に開かれていて、それぞれの暮らしに思いを馳せつつ、頭上、壁、床から神田っ子の気風に包み込まれます。

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正則学園の後も神田ポートビルで同時開催されていた池田さんの展示を鑑賞したり、ほぼ日さんの本社に併設されたショップTOBICHIに立ち寄って桃を買ったりと、1日の余韻を楽しみました。

今回訪れたのはごく一部ですが、作品や多様な会場、その道中含めて神田のいろいろな風景に触れることができたこの1日。作品がある街の景色を楽しめるのはもちろん、作品に触れることで新しい視点で街を楽しめるようになるのも、東京ビエンナーレの醍醐味なのかもしれません。

どこも束の間の滞在ながら、実際にいろいろな扉を訪ねて開いたことで、神田にもう一歩深く入り込むことができた気がしたのもうれしい1日でした。

会期は残りわずかですが…ちょっと特別な神田を楽しめるこの機会、ぜひ体験してみてください。





Text/Photo: Akane Hayashi

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