神田いらっしゃい百景|BOOK SHOP 無用之用

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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BOOK SHOP 無用之用
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-21−2 一和多ビル2F
アクセス:
地下鉄神保町駅A7出口より徒歩2分

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訪問者 林亜華音
オープンカンダ編集スタッフ。
共同店主の美帆ちゃんは学生時代のインターン仲間。
こんなに愛される場所をつくってるなんてしびれる!

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
神保町よしもと漫才劇場から歩いて3秒のところにあるお店。
ライブ終わりはここに決まり

神田いらっしゃい百景|喫茶プペ

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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喫茶プペ
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-13-11
アクセス:
地下鉄竹橋駅より徒歩5分
地下鉄神保町駅より徒歩7分

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訪問者 林亜華音
オープンカンダ編集スタッフ。
プペさんのロゴ、よく見ると
半濁点の中がオレンジと紫になっていておしゃれ

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
二代目店長の原さんは、
専門学校(桑沢デザイン研究所)の大先輩!

なんだかんだ2って結局なんだった?|
#3 クリエイティブディレクターに聞く。これからのなんだかんだ

2023年11月3日。
神田錦町にて、路上実験イベント「なんだかんだ2」が開催されました。
第一回目を春先に開催してから半年足らず。
前回の手応えと反省を活かして、
パワーアップした第二回目となりました。

路上に畳を敷き詰めて、
さまざまなものごとに出会うそのイベントは
どのようにできて、どんな場所を
目指していたのでしょうか。
なんだかんだ2って、結局なんだった?
その疑問に、オープンカンダ編集部が迫ります。

INDEX
#1協力と許可と仲間と資金と
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?
#3 クリエイティブディレクターに聞く。これからのなんだかんだ

#1はこちら
#2-1はこちら
#2-2はこちら

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#3
クリエイティブディレクターに聞く。
これからのなんだかんだ

大盛況で一日限りの幕を閉じたなんだかんだ2。たくさんの方が楽しむ様子が見られましたが、立ち上げた方々はどういった想いでこの日に臨み、何を感じたのでしょうか。クリエイティブディレクターの池田晶紀さんに、開催を終えてのお話を伺ってみました。

——ここまでレポートしてきましたが、なんだかんだとは何なのか、わかったようで掴みきれていない気がしています…。この企画にはどういった想いがあるのでしょうか?

池田 2023年の3月にあたらしい街の縁日として「なんだかんだ」をはじめて開催して、自分たちが何をやっていきたいか、何をしてくべきかうっすらと見えてきたんです。
毎回テーマを設けているんですが、一回目は「なんだかんだと、かんだはあたらしい」で、二回目は「なんだかんだと、かんだはやさしい」としました。ここで言う「やさしい」をもっとわかりやすく置き換えると、「日常や生活の中に役に立ったり、楽になったりする」みたいなことなんですね。

——ステートメントでも、『「これ、すごくいいからためしてほしいな」と、オススメ心でいっぱいの人 が集いました。』と書かれていますが、「すごくいいからためしてほしい」ことが「日常や生活のどこかに役に立つ」ことだったんですね。

池田 そうだね。「日常や生活のどこかに役に立つ」ということを例えにすると、お腹を壊した時に、通常は下痢止めをすぐ薬に飲むけど、腹巻きがいいよと勧められてなんとなく温め続けてたら調子が良くなっていくみたいな、じわじわ効いてくることもありますよね。 
そういう不確実的だけどいいものを受け入れていこうというのが、なんだかんだなんです。

——なるほど。

池田 これはジャンルやカテゴリー的なことでもないし、言葉もないことに取り組んでるんです。例えば音楽の世界でも、ジャズだのロックだのパンクだのというジャンルは後で言葉をつくったわけで、でもそれ自体は言葉になる前から存在していて、みんなが励まされたりしてきたカルチャーですよね。なんだかんだも、なんて言ったらいいのかまだわからないジャンルで、まずはあだ名程度のネーミングとして捉えて「なんだかんだと、効いてきた!」という感覚が共感になっていければと考えているんです。

——なんだかんだは、不確実だったり端的に言葉にできなかったり、一見ではわからないことがポイントになるんですね。

池田 ポイントは、なんだかわからないことに気づくこと。もしかしたら、そこが一番重要なのかもしれませんね。なので、その問いのようなモノが出てきて、場に置いていく時間。だから、まずは解決することが目的ではく、じわじわと効いてくることができればいいんです。「これってなんなのか?を一緒になって考えてみよう!」というのがやりたいこと。結果それが、カルチャーイベントやアートフェスでも、地域交流のための街の縁日でも、福祉や防災の課題について取り組んだ実験でもどんなカタチであれ、その問いであり、ふわっと浮かんだ何かに気がつくことが大事なんだと思います。

——確かに演目をひとつひとつ見ていくとさまざまですもんね。第一・二回とも福祉施設や団体の出店が特に多くいらっしゃいましたが、その点も何か想いがあったのでしょうか?

池田 福祉というと、言葉の印象として制度や機関のことをイメージされることが多いのですが、本来の福祉の役割は「助けを求めている人の手助けをする」ということだと思うんですよね。だからそういった本来の役割に気づける出会いの場をみんなでつくりたかったんです。つまり、ここでやっていく「なんだかんだ」というのは、あたらしく生きる道しるべになれるようなモノであってほしいんです。そこで、うなずいてくれたり、「いいんですよ〜、どうぞどうぞ〜」といいながら、声を出して一緒に考えたりして、その場を動かしながらつくるやり方で、いろんな人が居られる場の力を定着させたいなと思います。

——二回目の開催でもリピートでいらしてくださった方がいましたね。

池田 嬉しいですよね。でも年一回だと広くは定着していかないから、いっぱいやらないとダメだなってわかったんですよ。なので、2024年はなんだかんだをたくさんやることにしました。路上実験イベントは引き続き年に数回として、もう少しコンパクトにテーマを絞ってやろうと思っていて、もうすでに10個ぐらい企画を考えてますよ。

——多! 年一度の路上実験イベントから急展開ですね、楽しみです。

池田 まずは3月に4つの企画を開催予定です。2024年から、「なんだかんだはたくさんやります!」いい時間といい出会いの場に、お越しいただけるようお待ちしています。

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あたらしい神田の縁日を目指す「なんだかんだ」はまだまだ立ち上がったばかり。実際の場を見て、池田さんのお話も伺い、これからもさまざまな形を模索しながら進化していく予感がしました。
この記事を読んでなんだかんだを体験してみると、何だったか?がよりわかってくるかもしれません。
2024年はたくさんの機会をもって突き進んでいく「なんだかんだ」。今後の展開も追っていきたいと思います。

Text/Edit/Illustration: Akane Hayashi

なんだかんだ2って結局なんだった?|
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?❷

2023年11月3日。
神田錦町にて、路上実験イベント「なんだかんだ2」が開催されました。
第一回目を春先に開催してから半年足らず。
前回の手応えと反省を活かして、
パワーアップした第二回目となりました。

路上に畳を敷き詰めて、
さまざまなものごとに出会うそのイベントは
どのようにできて、どんな場所を
目指していたのでしょうか。
なんだかんだ2って、結局なんだった?
その疑問に、オープンカンダ編集部が迫ります。

INDEX
#1協力と許可と仲間と資金と
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?
#3 クリエイティブディレクターに聞く。これからのなんだかんだ

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#2-1はこちら

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#2
盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?

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●ドローイングに麻雀、書道に茶道。
好きに過ごせるあれやこれ

他にも畳の上には一風変わったワークショップが大集合。
建物の壁や道のでこぼこなどのテクスチャーを採集し、神田の街からできた自分だけの平面作品を制作する「へいめん探索隊」や、いずれ廃棄されてしまう画材がずらりと並び、画材を物色したり自由に創作を楽しむ「巡り堂」など、つい没頭してしまうような時間が流れます。

へいめん探索隊 with シブヤフォント
写真中央の方がワークショプを手がける、
シブヤフォントのライラ・カセムさん
画材循環プロジェクト「巡り堂」
色とりどりの画材を囲んで、
おしゃべりに華が咲いていました。

その他には、ひらがなが印字された麻雀牌で新しい言葉を考えたり、文章を作って遊ぶ「あそことば」、畳の上で「おちつけ」と筆で書くだけなのに不思議と心安らぐ「おちつけ書道会」、本格的な茶の湯の世界を体験できる「露天風炉2」、脳と身体の可能性を広げる「パフォーマンス医学」など、あらゆるものが展開されます。

一見なんだろうこれ?というような一癖あるものばかりですが、気になってやってみるとそれぞれの世界に引き込まれていく人たちが続出。新しい出会いにあふれた空間になっていました。

ひらがなが印字された麻雀牌で
言葉と戯れる岩沢兄弟の「あそことば」
ルールはなく、誰でも自由に
一緒に楽しめるふしぎなマシーン!
前回も大人気だったTOBICHI東京「おちつけ書道会」
おちつけに向き合う時間ってきっと大事。
TOBICHI東京は他にも、
「われてもさみしくないヨーヨー」を出店。
うっかり割ってしまったりしぼんでしまっても、
中からちいさなくまのチャームがこんにちは。
茶道教室「露天風炉2」
茶道裏千家の専任講師・石澤宗彰さんが抹茶をふるまい
畳2枚のスペースがすっかり茶室に見えてきます。
Dr.二重作拓也さんの「パフォーマンス医学」
自分をアップデートする
脳と身体の使い方を教えてもらうと、
あっという間に参加者たちの
新たなパワーが引き出されていく…!

●いろんなこだわりに触れるお店たち

少し変わった新しい体験にあふれる中、お店たちも多種多様です。
ピザ、コッペパン、ビール、コーヒー、駄菓子など大人も子どもも嬉しいラインナップが集まります。製造や味に手間や時間がかかっていたりと、それぞれのこだわりが光り、どれも大人気でした。

ご近所の神田錦町1丁目にある
「ソーシャルグッドロースターズ」は、
障がいのあるバリスタや焙煎士が活躍する
ロースタリーカフェ併設の福祉施設。
手間と時間をかけて丁寧に作られたコーヒーは絶品!
中野区方南町を拠点に、障がいのある醸造士が活躍する
クラフトビール醸造所の
「方南ローカルグッドブリュワーズ」
この日は11月にしては暖かく(写真の方も半袖!)、
ビールののどごしがたまらない日でした。
多機能型就労支援事業所ひまわりの
「なんだかんだピザ屋さん」
錦三縁日で好評だった窯焼きピザはここでも大人気。
世田谷区にある発達障害者就労支援センター ゆに(UNI)の
「コッペパンサンド屋さん」
スモークサーモン&クリームチーズや海老&アボカドなど、
手の込んだ豊富なラインナップであっという間に完売!
静岡県掛川市から神田にはるばるやってきてくれた
駄菓子屋「横さんち」
静岡の実店舗では、
障がいのある方がいきいきと働く駄菓子屋さんです。
たくさんの駄菓子を前に子ども達が集まり、
普段のお店の様子が感じられました。
神田ポートビル2階では、
ほぼ日のなんだかんだパン屋さんが出店。
ほぼ日さんセレクトのとびきりおいしいパンが並び
どれもすぐに売り切れに!
ワインストア&スタンドPeròの
ソムリエ・熊本千絵さんがセレクトしてくれた
ナチュラルワインを楽しめる「響くワイン」
ワインにまつわるエピソードのお話とともにいただくと、
味と香りが心に響く!
日が暮れてからは伝統茶「tabel」の
薬草調合師・新田理恵さんによる薬草茶shopが出店。
一人ひとりに合わせたブレンドティーを
淹れてもらうことができ、
薬草茶の深い世界が味わえました。

●遊んでも遊んでも、まだ遊べる

たくさん楽しんで、食べて飲んだ後も、まだまだいられるなんだかんだ。ゆるく時間を過ごせる空間がありました。

何をするか迷ったら「なんだかんだガイドさん」へ
共立女子大学 建築・デザイン学科 藤本ゼミの
学生たちがイベントをご案内。
全国各地をとびまわり、
どんなところにもあそび場を作り出してしまう
「移動式あそび場」
畳いっぱいに広げられた遊具の数々に、
子ども達の遊びが止まらない。
熱せられたサウナストーンに、
柄杓で水を注いで水蒸気を発生させるロウリュを
誰でも楽しめる競技にした「ロウリュ投げ大会」
2m先の桶に向かって放った水の量を競うだけ。
シンプルだけど癖になるトリッキーさ。
株式会社アルバンさんのご協力のもと、
なんだかんだの会場の一角が雀荘へと様変わり。
家族で麻雀したり、麻雀牌をきれいに並べたり、
遊び方はいろいろ。
神田ポートビルの地下にあるサウナラボは、
なんとこの日は時間制限なしで1,000円で利用可能に!
一旦ととのってから、遊び直すことだってできる。

●日が暮れたって、まだまだのびのび過ごせちゃう

日が暮れても、提灯の灯りが引き続きあたりを楽しく照らします。
暗くなった時間にぴったりの寝たままできるヨガの体験や突如ランウェイが出現してファッションショーが行われたり、畳を使ったパフォーマンスやDJなど、自由に場をつくり替えてさまざまなことが起きていきました。

TOTONOLによる寝たままでできるヨガ体験。
リラックスした参加者を眺めながら、
レクチャーの声を聞いているだけで心地よい。
畳の間にランウェイができたと思ったら、
ムサビ津村ゼミナール有志による
「fashion show “KIDS”」がスタート。
あたりの空気をガラリと変える世界観に全員釘付け。
パフォーマーの加藤紗希さんと
建築家の藤本信行さんによる
「なんだかふしぎな出会い」
みんなで畳を建てて、不思議な空間に誘われていきます。
シークレットゲストで坂本美雨さんがアカペラを披露!
昼間にダンススル会で盛り上げてくれた
篠崎芽美さんたちの踊りも即興で加わり、
息を呑むようなひと時に。
やついいちろうさんの寝っころがりDJ
軽快なトークと絶妙な選曲でフロアを湧かし
寝っころがりどころか総立ちになって、
外にまで飛び出す勢いの盛り上がり!

最後は神田といえばお馴染みの木遣で締め!
記念に集合写真を撮ってお開きとなりました。

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一見どういうこと?と戸惑いつつも、
巻き込まれてみるとさまざまな発見に出会えた
なんだかんだ2。
なんでもありのカオスなようで、
身を委ねてみたくなる安心感がありました。
この絶妙なバランスは
いかにしてできたのでしょうか?

次の記事では、クリエイティブディレクターの池田さんにお話を伺いました。

#3へ続く

Text/Edit: Akane Hayashi
Photo: Masanori Ikeda(YUKAI),
Yuka Ikenoya(YUKAI),
Mariko Hamano

なんだかんだ2って結局なんだった?|
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?❶

2023年11月3日。
神田錦町にて、路上実験イベント「なんだかんだ2」が開催されました。
第一回目を春先に開催してから半年足らず。
前回の手応えと反省を活かして、
パワーアップした第二回目となりました。

路上に畳を敷き詰めて、
さまざまなものごとに出会うそのイベントは
どのようにできて、どんな場所を
目指していたのでしょうか。
なんだかんだ2って、結局なんだった?
その疑問に、オープンカンダ編集部が迫ります。

INDEX
#1協力と許可と仲間と資金と
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?
#3 クリエイティブディレクターに聞く。これからのなんだかんだ

#1はこちら

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#2
盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?❶

いよいよ迎えたなんだかんだ2当日は、常にいろいろなことが起きていましたが、まとまりがないということはなく、同じ畳の上でそれぞれに過ごしていても不思議と居心地の良さがありました。

クリエイティブディレクターの池田さんは、なんだかんだ2の開催に向けた想いを以下のようにステートメントに込めています。

「すごくいいからためしてほしい」というオススメ心で集まった方々は、ダンス、演劇、ヨガ、駄菓子屋など多種多様。みなさんここに集まる人たちとの関わりを楽しみにしていて、自分たちが持ってきたものを一緒に楽しもうとしている方ばかり。安心してその場に巻き込まれてしまえる感覚がそこにはありました。

実際にどんなことが繰り広げられていたのか、いくつかご紹介していきましょう。

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困っている人を助けながら車いす体験!
「車いす夢のデリバリー」

車いす体験スタンプラリー「車いす夢のデリバリー」は、参加者がZKNEats(ズキン・イーツ)の新人配達員となって、車いすに乗って人助けをしながらデリバリーのミッションに取り組みます。
いざ街に繰り出すと、困っている人たちがそこかしこに…。お腹を空かせた河童、寒さに耐えるストリートミュージシャンなどトリッキーな困りごととの出会いを楽しみながら、どんどん人助けをしていきます。

さまざまなミッションがありますが、「困っている人に声をかける」ということがこのスタンプラリーの大きなポイント。困っているみたいだけどどうしたんだろう?何か助けが必要?自分にできることはある?など様子を伺いながら、勇気を出して声をかけて助けになる、という体験を重ねていきます。
車いすを体験するだけではなく、困っている人にどう歩み寄ればいいのか知ることは、何よりの一歩になりそうです。「車いす夢のデリバリー」は、たくさんの人助けを通して誰かの役に立つことを楽しく考えさせてくれる体験でした。

●自分を解放して何にでもなれる、ダンススル会!!

ダンサーの篠崎芽美さんと自由に楽しくダンスをするワークショップでは、篠崎さんに誘われるように、子どもから大人までダンスの輪が広がっていき、一緒におもしろダンスをしていきます。
カニになったり石ころになったり太陽になったり…創造力と体の動きを最大に発揮して、自分をどんどん解放していく様子が圧巻でした!

●シェイクスピアの世界に巻き込まれる

続いて演劇プロデュースカンパニーのカクシンハンが「ロミオとジュリエット」を披露し、あたりがシェイクスピアの世界へと一変!神田ポートビルの窓と路上を使って、畳でくつろいでいる人の間をロミオが悶えて歩き回ったり、ジュリエットの悩める声がその場の人たちを引き込んでいきます。

台詞が書かれた色紙を一枚一枚放っていくパフォーマンスには、子どもたちも釘付け。席に座ってステージをじっと観る演劇とは異なり、いまいるところがじわじわと物語に巻き込まれていくという、街での演劇の楽しみ方がありました。

●どんな場所でもリラックスに誘う、青空ウィスキング

演劇やダンスで盛り上がる畳とは別の一角では、なにやら瞑想をしている集団が。サウナで行われるリラクゼーショントリートメント「ウィスキング」の体験が行われており、シラカバなどの枝葉を束ねたウィスクを用いて、植物の香りや音とともに癒しのひと時を過ごします。
通常はサウナ室の中で行うものですが、街中で体験すると開放感もひとしお。どんな場所でもリラックスさせてしまうウィスキングの力が垣間見えました。

●第一回神田ポート「パン食い競走」

なんだかんだ2の中でも、独特な盛り上がりを見せたのが「パン食い競走」。
吊り下げられたパンをいかに早く食べられるかタイムを競いつつ、パンを狙う表情の芸術点が評価されます。芸術点をコメントするのは精神科医の星野概念さん。星野さんは、「メンタルヘルススーパー銭湯」というワークショップを神田ポートビルで定期開催しています。

普段のワークショップでは、サウナに入って緊張をほぐしてから畳の上でさまざまな人と対話をしていきますが、今回はパン食い競走というなんとも気の抜けた企画で知らない人同士が集まるこの場を緩くほぐします。出場者も知らない人だけど、人目を気にせずパンに食いつく様子を見ていると自然と応援したくなり、楽しくあたたかな空気に包まれました。

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かなりご紹介してきましたが、まだ全体の1/4程度。
まだまだある、とっておきの演目たちを全部ご紹介します。

#2-2へ続く

Text/Edit/Manga: Akane Hayashi
Photo: Masanori Ikeda(YUKAI),
Yuka Ikenoya(YUKAI),
Mariko Hamano

なんだかんだ2って結局なんだった?|
#1 協力と許可と仲間と資金と

2023年11月3日。
神田錦町にて、路上実験イベント「なんだかんだ2」が開催されました。
第一回目を春先に開催してから半年足らず。
前回の手応えと反省を活かして、
パワーアップした第二回目となりました。

路上に畳を敷き詰めて、さまざまなものごとに出会うそのイベントは
どのようにできて、どんな場所を目指していたのでしょうか。
なんだかんだ2って、結局なんだった?
その疑問に、オープンカンダ編集部が迫ります。

INDEX
#1協力と許可と仲間と資金と
#2 盛りだくさんすぎる演目。みんな何やってた?
#3 クリエイティブディレクターに聞く。これからのなんだかんだ

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プロローグ

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#1
協力と許可と仲間と資金と

神田での路上実験イベントとして立ち上がった「なんだかんだ」。前例がなく、規模の大きい取り組みゆえ、実現はまさに修羅の道でした。
その中で必要となったのが、公共の場で新しい取り組みを始めるにあたって不可欠となる「協力」と「許可」、そして取り組みをより良いものにするためにあると嬉しい「仲間」と「資金」です。

なんだかんだもこれらを地道に集めることで開催にまで至ったわけですが、その裏側を知るのは運営メンバーのごく一部だけ。けれど、こうした取り組みをもっと広く参考してもらえれば更なる街の活用につながるかもしれません。
そう思い立って、なんだかんだ2の開催に先駆けて、開催までの過程を事細かに明らかにしてしまう「なんだかんだプロセス展 ~どのようにして実現できたの?〜」を実施しました。
展示の様子とともに、開催までの過程をご紹介します。

前身となる路上活用の取り組みからはじまりつつ、千代田区による実証実験の公募への落選という苦難の背景があったなんだかんだ。

その後、神田プレイスメイキング実行委員会を発足して体制を整え、実現に向けた千代田区とのすり合わせを重ねていきます。道路という公共空間を使用するとなると、千代田区だけでなく警察や町会などの協力も必要になり、各関係機関への許可申請のプロセスまでつまびらかに大公開。
展示には許可申請書の原本まである驚き!

さらにクラウドファンディングの実施や開催後の来場者アンケート、今後の運営体制など、継続的に続けるための仕組みも明らかにしました。

この街の課題は何か、これをやると誰が嬉しいのか、道路占有よる問題はないか。ひとつひとつ向き合って資料にまとめて各所に説明し、課題点をクリアにしていく。
地道なことですが、膨大な資料はそれらに費やされた時間や労力、さまざまな協力があったことを雄弁に物語っていました。こうしたプロセスを明らかにする展示は今後も路上実験イベントに合わせて継続していく予定です。

そんな流れを経て開催することとなったなんだかんだ2。実際にどんな空間になったのでしょうか。

#2に続く

Text/Edit/Manga: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

神田いらっしゃい百景|学士会館

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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学士会館
〒101-8459 東京都千代田区神田錦町3-28
アクセス:
地下鉄神保町駅 A9出口より徒歩1分
地下鉄竹橋駅 3a出口より徒歩5分
JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩15分

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訪問者 林亜華音
オープンカンダ編集スタッフ。
学士会館の扉の「引」の文字がかわいくて
キーホルダーにしてほしいです。

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
推しが学士会館で撮影していたことがあり
行くたびにハッピーな気持ちに!

路上実験イベント なんだかんだ2

なんだかんだと、かんだはやさしい。

「なんだかんだ」は、あたらしい街の縁日です。
路上を発表の場にしてカルチャーイベントを展開します。

「これ、すごくいいからためしてほしいな」と、オススメ心でいっぱいの人が集いました。
畳が敷かれた路上で、みんなで一緒になって、考えたり、体験してみましょう。

出会ったことのない世界、出会ってみたら知らなかった体験。体感する心地良さ、出会い方そのもの。
じわじわと共感がやってきて、居心地の良い時間になったたらいいな、と考えています。

会期
2023 年 11 月 3 日 ( 金・祝 ) 11:00-20:00
会場
神田ポートビル、神田ポートビル前道路、神田税務署駐車場

特設ページはこちら▼
https://nandakanda.jp/

>>>クラウドファンディング挑戦中<<<

神田を盛り上げ、次世代に引き継げるよう、ぜひ応援お願いします!

参加作家/団体(※五十音順)

株式会社アルバン / 石澤宗彰(息継庵) / 岩沢兄弟 / カクシンハン / 加藤紗希 / 共立女子大学 建築・デザイン学科 藤本ゼミ / 熊本千絵(Però) / サウナラボ神田 / 佐野夢果 / 篠崎芽美 / ソーシャルグッドロースターズ / 駄菓子屋横さんち / 千葉有莉 / つむぎやさん / TOTONOL / TOBICHI東京 / 新田理恵(Table) / 多機能型就労支援事業所ひまわり / 藤本信行 / 二重作拓也 / 方南ローカルグッドブリュワリー / 星野概念 / 株式会社ほぼ日 / マガジンハウス <こここ> / 松田純子 / 松本ハウス / みずのき美術館 / やついいちろう / 株式会社ゆかい / 発達障害者就労支援センターゆに(UNI) / ライラ・カセム

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主催
神田プレイスメイキング実行委員会
○ 会長 中島伸(東京都市大学 都市生活学部)
○ 副会長 池田晶紀(株式会社ゆかい 代表)
○ 幹事 前⽥智彦(錦町三丁⽬町会 町会⻑)
○ 幹事 堀井市朗(錦町三丁⽬第⼀町会 町会⻑)
○ 事務局⻑ 渡部裕樹(株式会社日建設計総合研究所)
○ 事務局次⻑ 田紳華(株式会社日建設計総合研究所)
○ 会計 ⼩林知典(株式会社ゆかい)
○ 監事 御代⽥和弘(4FRAMES 代表)

神田プレスメイキング実行委員会 クリエイティブチーム
○ クリエイティブディレクター 池田晶紀(株式会社ゆかい)
○ アートディレクション 広岡ジョーキ
○ ロゴデザイン 大日本タイポ組合
○ アートワーク 渡辺明日香
○ ネーミング 糸井重里(株式会社ほぼ日)
共催
般社団法人東京ビエンナーレ
協賛
安田不動産株式会社、住友商事株式会社、クラウドファンディングによりご支援いただいた方々
協力
共立女子大学、東京都市大学、株式会社サウナラボ、株式会社精興社、株式会社竹尾、バカンス株式会社、
株式会社ほぼ日、タナカカツキ、田中啓介、星野諭、神田税務署、千代田区社会福祉協議会
後援
千代田区、東京文化資源会

なんでもアカデミック!|まちに眠る遊びを取り戻す。これからの遊び再考【後編】

「学問の街」と呼ばれる神田。
それは大学や書店が多く集まっていることから来ていますが、学問という言葉が「知の体系」を意味するように、人々の学びへの熱量が絡み合ってきたまち、とも言えます。

「なんでもアカデミック」は、そんな学びが深く根づくこのまちで、多様な分野で活動する方々とあらゆるものをアカデミックに捉えて掘り下げていく企画です。

今回は「遊びは学び」をテーマに、車に遊び道具を詰め込んで神田をはじめ日本各地に遊び場を仕掛ける星野諭さんをゲストにお迎えし、ナビゲーターの丑田俊輔さんとともに、遊びの真髄に迫ります。
前編では外遊びの現状、星野さんが手掛ける移動式あそび場についてトークを繰り広げ、遊びがもたらすパワーを再確認。後編では、まちに遊びを取り戻すにはどうすれば良いのか?ちょっとした実践も交えて、参加者の皆さんと考えていきました。

前編はこちら

星野諭さん
移動式あそび場全国ネットワーク 代表 /プレイワーカー/一級建築士/こども防災活動家
1978年新潟生まれ、野山で遊び、薪風呂で育つ。2001年の大学時代にNPO団体設立。神田で空き家を改装した子ども基地や地域イベント、子ども参画のまちづくりやキャンプなど実施。また、2008年には、移動式あそび場を本業とし、大都市部から里山、被災地など数人~数万人の多様な事業を展開している。

丑田俊輔さん
神田錦町の公民連携まちづくり拠点「ちよだプラットフォームスクウェア」を運営。日本IBMを経て、新しい学びのクリエイティブ集団「ハバタク」を創業し、国内外を舞台に様々な教育事業を展開。2014年より秋田県五城目町在住。遊休施設を遊び場化する「ただのあそび場」、住民参加型の小学校建設や温泉再生、コミュニティプラットフォーム「Share Village」等を手掛ける。

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⚫︎STUDY3 オフィス街での、遊びの余白の見つけ方

もっと遊びの光景を増やすために、例えば神田のまちではどういったことができるのでしょうか。神田に長く関わるお二人だからこそ見える可能性に迫ります。

丑田 僕も学生時代から神田に関わっていますが、「粋な遊び人のまち」と言えますよね。町会でやっている縁日なんかに参加すると、お店出す側も飲みに来る側もごちゃ混ぜになりながらはっちゃけてる(笑) 町会の方々も本気でハレの日楽しんでいて江戸っ子らしいというか。

星野 僕がこのまちにハマった理由には、山奥の田舎と神田の人間臭さが似ているということがすごくあって。こんなビルに囲まれたまちでも住んでいる人がたくさんいて繋がりがある、目には見えないコミュニティの存在に面白さを感じたんですよね。

丑田 人間臭さ!わかります。都市ってよくコミュニティがないと言われますが、あるところには地域性とか遊び心、関係性なんかもしっかり残ってますよね。
一方で、やっぱり常設の遊び場がビルの建て直しでなくなってしまうとか、公園のルールが厳しくなって余白が減り始めているのも都市の問題だなと思います。

星野 都市では制約によってなかなか柔軟に考えづらいと思うんですが、移動式あそび場のようなアイデアはそこを突破するきっかけをつくれるんですよね。
例えば神田のようなオフィス街でも、あのビルのワンフロアは何時から何時までなら開放できるとか、ここの駐車場は土日誰も使ってないよとか、時間軸でまちを見ると余白ってたくさんあるんです。

丑田 なるほど…空間ではなく時間で見るのは面白いですね。時間で区切って余白を探すのであれば、新設したりフルタイムで占有するよりずっとハードルが低いし、なによりいろいろな場が見つかりそうです。

星野 そうなんです。一定時間道路を封鎖して歩行者天国にするのと同じように、今回の会場のちよだプラットフォームスクウェアなんかも、ウッドデッキの下に遊び道具を収納しておいて、空いてる時間にすぐ遊び場に展開させるといったことができますよね。
そうやって場をトランスフォームできるようにしておくと、例えばポールを立てる装置一つにしても、遊ぶ時は登り棒になって、イベント時はステージが建てられて、災害時には仮設テントを設置できるみたいな。いろんな場面に備えておくこともできるんですよね。

丑田 エヴァンゲリオンの第3新東京市みたいなやつですよね(笑) 非常時になると建築物がガシャーンと地面に収容されて。ハレとケと緊急時とで都市の形が変動していくというのは、テクノロジーの発展も相まってこれからできそうな感じがしますね。

⚫︎STUDY4 遊びで大人の思考をアンラーニングする

まちに遊びの環境をつくるには、まちを動かす大人たちと遊びの関係も見直さなくてはなりません。歳を重ねるにつれて遊びとの距離が離れていきがちですが、改めて遊びを考えると、大人にこそ遊びが必要なのでは?という話に。

丑田 いままでの話を振り返ると、遊びって子どもだけのものじゃなくて、大人たちこそ遊びをどう取り戻すかを考えるべきなんじゃないかと思っていて。大人になると、あらゆることに意味とか意義を求められていくじゃないですか。でもそういう制約の中で新規事業を考えろとか言われても、つまらないコピペばかりになってしまう。
そこで、子どものように意味もないし役に立つかわからないけど夢中になって遊んでるみたいな営みを、大人がどう持てるのか考えないと次に進めないように思います。

星野 遊びって正しい答えがないし、評価されないじゃないですか。そこが子どもにとっても大人にとってもいいと思うんですよね。遊びは、その人にとって楽しかったり夢中になれるのであればそれが一つの正解なわけで、それが自己肯定感だったり自分が心からしたいと思う本能的なものに繋がっていくんです。

丑田 ジャッジされない世界があることは大事ですよね。
あと、大人になって経験を積むほど思考が凝り固まりがちですが、それをアンラーニングするというか、手放すことって遊びから始められる気がします。ちょっとおどろおどろしいけど森に行って遊んでみようとか、自分の体験や知識の外側にアクセスする営みでもあるなぁと。

星野 遊びを通して自分のしたいことを知るという側面もありますが、誰かと遊ぶことで痛みを覚えたり、でもこうすると喜ばれて一緒に幸せになれるんだって学んでいきますよね。
遊びは人間の基礎のところにあるもので、もう生きるための衣食住と同じくらい重要ですよ。

丑田 衣食住遊、本当にそうですね。子どもの遊び環境と大人の遊び心をどう取り戻すのか、オフィス街だけど粋な遊び人たちの気風がある神田だからこそ何かアクションを起こせるんじゃないかと思いました。今回のアカデミックという側面も深めて、遊びが持つ力とか意義をしっかりと捉えていきながら、遊びにあふれた神田になっていけるんじゃないかなと。
星野さんの移動式あそび場もありますし、真面目に話すのはこの辺りまでにして遊びながら続きを考えましょうか(笑)

⚫︎WORKSHOP 遊びは実践あるのみ

トークの後は星野さんレクチャーのもと、遊びを開発するワークショップを実施。
「トークしてる時から遊びに使えそうで気になってしょうがなかった」と言って参加者が座っている赤白の椅子を指差し、それで遊びを考えてみることに。

星野さんの移動式あそび場では、遊びの材料にもこだわりがあり、地域で拾った自然素材や廃材を譲り受けたものだったりと、製品化されたおもちゃとは違ってどう遊ぶかは発想次第のものが多くあります。
このワークショップでは、そうした遊びの発想を引き出すべく、3〜4人のチームに分かれて3分間で椅子を使ってどんな遊びができるか、実際に実現できるかは置いておいて自由にアイデアを出し合いました。

最初はなんとか捻り出しながらも、次第に頭がほぐれてそこかしこからアイデアが飛び出していきます。モグラ叩きをする、穴を使っておみくじをつくる、お尻にいくつ丸の跡を付けられるか競う、といった破天荒なものまで、3分で30以上もの遊びのアイデアが誕生しました。

「中には歴史上で誰もやったことないんじゃないかってものも生まれるんです。こういう遊びの発想ってクリエイションの原点なんですよね」と星野さん。
確かに、大人でも一度この遊びの発想を手に入れると、まちで何ができるかをすごく柔軟に考えることができる気がします。

その後は、星野さんの移動式あそび場で日が暮れるまで語り、遊び倒しました。
(がらんとしたスペースに、あっという間に遊び場をつくってくださいました↓)

はじめて遊びを真剣に考え、改めて遊びをじっくり実践するひとときを経て、何か新しい力を手に入れた気がする今回の企画。楽しもうとする遊びの視点でまちを見てみると、気づかなかったまちの魅力や可能性が自ずと見えてきそうです。
なんにせよ、遊びは実践あるのみ。これを機に神田のまちでさまざまな遊びにトライしていく予定ですので、今後にご期待ください!

Text/Edit: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)
Title Design: Kosuke Sakakibara(BAUM)

なんでもアカデミック!|まちに眠る遊びを取り戻す。これからの遊び再考【前編】

「学問の街」と呼ばれる神田。
それは大学や書店が多く集まっていることから来ていますが、学問という言葉が「知の体系」を意味するように、人々の学びへの熱量が絡み合ってきたまち、とも言えます。

「なんでもアカデミック」は、そんな学びが深く根づくこのまちで、多様な分野で活動する方々とあらゆるものをアカデミックに捉えて掘り下げていく企画です。

第二回目のテーマは「遊びは学び」。相反するような言葉ですが、子どもの頃に遊びを通して学んだことは多いのではないでしょうか。
車に遊び道具を詰め込んで神田をはじめ日本各地に遊び場を仕掛ける星野諭さんをゲストにお迎えし、ナビゲーターの丑田俊輔さんとともに、遊びの真髄に迫ります。
今回は遊びがテーマなのでかしこまってトークをしてもちょっと味気ないということで、公開インタビュー+ワークショップ形式にて決行。前編後編の2回に分けてお届けします。

星野諭さん

移動式あそび場全国ネットワーク 代表 /プレイワーカー/一級建築士/こども防災活動家
1978年新潟生まれ、野山で遊び、薪風呂で育つ。2001年の大学時代にNPO団体設立。神田で空き家を改装した子ども基地や地域イベント、子ども参画のまちづくりやキャンプなど実施。また、2008年には、移動式あそび場を本業とし、大都市部から里山、被災地など数人~数万人の多様な事業を展開している。

丑田俊輔さん

神田錦町の公民連携まちづくり拠点「ちよだプラットフォームスクウェア」を運営。日本IBMを経て、新しい学びのクリエイティブ集団「ハバタク」を創業し、国内外を舞台に様々な教育事業を展開。2014年より秋田県五城目町在住。遊休施設を遊び場化する「ただのあそび場」、住民参加型の小学校建設や温泉再生、コミュニティプラットフォーム「Share Village」等を手掛ける。

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⚫︎STUDY1 そして誰も外遊びをしなくなった、となる前に

さまざまなエンターテイメントコンテンツが生まれ、新しい遊びの体験に溢れている現在。一方で、身一つで外に繰り出して遊ぶことも、アイデアや工夫次第でいかようにも遊ぶことができ、無限の自由度があります。しかし、外での遊びが昔と変わってきているのだとか。一体何が起きているのでしょうか?

丑田 星野さんは長年遊び場を手がけていらっしゃいますが、どういったきっかけがあったのでしょうか?

星野 僕は新潟の妙高生まれで、大自然に囲まれて育ちました。大学進学とともに東京に出てきたんですけど、あまりにも生まれ育った環境と違うぞ…と。公園には禁止事項があるし、まちは石ひとつ落ちてないようなきれいさだし、もっと言うと外で誰も遊んでもいない!といった状況で、その衝撃が大きかったんですよね。
そんなことを感じつつ、建築を学びながらも子どもたちと何かしたいと思ってプレーパークのお手伝いをしたり子どもキャンプを企画したりして、そのままNPOを立ち上げて2001年に本格的に活動を始めました。

丑田 20年以上取り組まれる中で、遊びに対して感じる変化ってありますか?

星野 子どもの外遊びに関する研究でちょっと衝撃的なデータがあって。コロナ禍に入る以前の2017年に千葉大学の研究室で実施されたものなんですが、平日の一週間に外で遊ぶ日数を調査をしたところ、都市部で8割の子どもが「0日」と回答しているんです。

丑田 週5日中、ゼロですか…。コロナの影響関係なくそういった状況になってるんですね。

星野 公園の禁止事項の話に繋がりますが、余白のないルールの中で遊びなさい、と大人が決めてしまったことが大きいと思うんですよね。
一方で、我々大人は子ども時代に何をして遊んでたか思い返したいんですけど、丑田さんはどこで何をされてました?

丑田 育ちは東京の清澄白河で江戸の下町という感じなんですけど、近所にあった駄菓子屋をアジトにしてドロケイしていた記憶がありますね。

星野 まちを舞台に、いいですね。駄菓子屋を勝手に自分の拠点にしちゃうことなんかまさにそうですが、やっぱり大事なのは遊びを受け入れる豊かな環境をまちが持っているかだと思うんですよ。
僕のもうひとつ上の世代なんかは、規制が全然ないのでとんでもなく面白い遊びが開発されてるんです。例えば神田だと、野球をしたい子どもたちが、野球できるほど広い場所がないのでゴロベースという道でできる遊びを編み出して。球を下投げで転がして指先をバットがわりにコンクリートすれすれのところを思い切り振るっていう。めちゃくちゃ怖いんですけど(笑)

丑田 野球をしたいという願望から、この環境の中でどうできるか、新しい遊びを開発するということが自然に起きていたんですね。

星野 そうです。なので、まちとして野球ができるような広い場をつくることもできたらもちろんいいですが、いまある環境を活かして遊べるまちであることが大事だと思うんです。

丑田 それこそまちでプレイフルに遊ぶことに繋がりますね。合理的に設計された都市の中で、余白という意味での遊びを持たせた環境をどうつくっていくかが、すごく重要な気がします。

⚫︎STUDY2 場所を問わない、移動式あそび場の可能性

外での遊びの現状や可能性を語っていただいたところで、あらゆる遊びを提供する星野さんは実際どういった場をつくっているのでしょうか。さすが遊びのプロ…とこぼさずにはいられない、柔軟な発想と行動力にあふれたエピソードが飛び出しました。

星野 ちょうど25年前、僕の原点と言える活動があって。神田多町2丁目の路地にある築45年の空き家を借りて、子どもの遊び場をつくったんです。当時関わるメンバー全員学生だったのでお金がなく、頼み込んで家賃下げてもらってセルフビルドでなんとかやりくりして、2階は学生のシェアハウス、1階は子どもの基地みたいに開放して、遊べる場所をつくりました。

神田多町2丁目につくられた遊び場の様子

星野 特に神田は道路率(道路が区域の面積に占める割合のこと)がとても高く、道文化が根付いている地域なので、道を使って子どもたちの作品を展示したり、いろいろと街を巻き込んでいきました。
そこから2年半ぐらい活動を続けていたのですが、建物が取り壊しとなってしまって。困ったぞと思いつつ生まれたのが、いまメインで活動している移動式あそび場でした。

丑田 さらっと大きな転換を遂げていますが、どのようにして思いついたんですか?

星野さんが手がける移動式あそび場

星野 新しい拠点探しに難航していた頃、ふと目の前に自動販売機に商品を補充するボトルカーがやってきたんです。それを見て、この中に子どもの遊びの材料を詰め込めばいいじゃん!巨大なおもちゃ箱になるぞ!と閃いて(笑)
すぐにボトルカーを持っていそうな大手飲料メーカーに「子どもたちに遊びを出前したいので車ください!」と片っ端から電話しました。その中で、自動車会社の財団で地域活性に関する助成の募集をしていると教えてもらい、無事通って2008年にできたのが第1号です。いまでは4号にまで増えました。

丑田 発想も行動力もすごい…!移動式だと、いつでもどこでも遊び場にできるというのが強いですよね。

星野 そうですね。移動式あそび場にしたことで日本各地で展開できるようになって、遊び場をつくる目的も広がりました。
まず一つは、将来的に僕らが行かなくてもいいように常設の遊び場をつくりたいと思っていて、その点で移動式あそび場は実証実験的な役割を持たせられるんですね。月に一度遊び場を展開しながら今後どういった場をつくるといいか、地域の方々の意見を聞くワークショップもやったりしています。

丑田 どういう場がほしいかって、頭だけで考えてもなかなか思いつかなかったりするので、実際に遊び場を見ながら考えられるのはすごく建設的ですね。

星野 あとは、企業とコラボレーションして環境や防災について遊びを通して学ぶ場をつくったり、遊びを介して多世代交流の場をつくったり、被災地に遊び場を届けたり。いろいろな形で遊びの可能性や価値を発信しています。

丑田 遊びのパワーが災害支援に繋がるということって、確かにありますね。僕のもう一つの拠点である秋田の五城目町は、7月の豪雨災害で復旧作業に追われていて、子どもたちの居場所をどうするかという問題がありました。浸水後の家屋や屋外は衛生環境的にもハードな側面もあって。なので、商店街の遊び場や廃校を活用したシェアオフィスを開放して、そこの給湯室で炊き出しなんかもしてるんですけど、子どもたちは遊びの延長線でひたすら野菜を切ったり調理を手伝ってくれてるんですよ。
そういう光景を目の当たりにして、遊びって学びとか社会の繋がりとかいろいろなものの原動力になるんだなと改めて感じますね。

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なんとなく捉えていた「遊び」について、研究データや活用事例を交え、その輪郭が少しずつはっきりとしてきました。後編では、神田のようなオフィス街での遊びのつくり方やビジネスパーソンが遊びを取り戻すには?など、実践に向けてさらに語っていきます。

後編へ続く

Text/Edit: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)
Title Design: Kosuke Sakakibara(BAUM)

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