神田祭密着レポート|はじめての神輿担ぎ編
神田の街の一大祭事、「神田祭」が5月に斎行されました。
かつては江戸城内も巡行し、徳川幕府も支援した天下祭の伝統が受け継がれたこのお祭りは、祇園祭、天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つです。氏子の人々にとって待ちに待った“ハレの日”であり、地域の心が一つになる場でもあります。
絢爛豪華な行列や、お揃いの半纏で練り歩く地域渡御など、神田祭は地元民でなくても高揚するもの。
今年は4年ぶりの開催ということで、当日を向かえる前からそわそわした空気が神田の街に漂っていました。そんな待ちに待った神田祭を、街の人たちと楽しみたい! あわよくば御神輿を担いでみたい! と意気込んだ「オープンカンダ」編集スタッフが神田祭をレポート。
はじめて御神輿を担ぐにはどうすればいい?
実際どれくらい重い?肩が腫れるというけど大丈夫?
そもそも御神輿はどこからやってきてどこに向かっているの?
これを読めば、一度御神輿を担いでみたかった…! という方もこれからは臆せず参加できるはず。
見るだけでは体験できない、神田祭の一歩踏み込んだ楽しみ方を3回に分けてお届けします。
TOPIC
1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!
6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御
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1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
5月14日(日)、神輿宮入りの当日。朝9時過ぎに「ちよだプラットフォームスクエア」に集合します。今回神輿担ぎにトライする編集スタッフの林は、事前に受け取った半纏に袖を通して現場入り。
この半纏と帯は神田ポートビルがある錦町三丁目の町会からお借りしたもの。半纏を借りるには、神田祭の1週間ほど前から設けられる町会ごとの「御神酒所」に前日までに行きましょう。錦三丁目町会と錦町三丁目第一町会は、ちよだプラットフォームスクエアに御神酒所ができます。
※クリーニング代だけでOKですが、さらに奉納金を包んで持っていけば、もれなく名前が奉納版に掲げられますよ〜!
半纏の下に着たのは黒い長袖とズボン。黒い足袋は自前で準備(エアー入り3000円弱をネットで購入)。半纏一つで、身も心もグッと引き締まるよう。う〜ん、キマってる!
錦三丁目は企業単位で参加されている方が多いそうで、襟に「錦三」と書かれた町会の半纏をはじめ、「安田不動産」「ゆかい」「新日鉄興和不動産」「ほぼ日」などの企業名が書かれた半纏を着た人たちが各所からぞろぞろと大集合してきます。初めての参加でも、お揃いの半纏に身を包めばあっという間に溶け込めます。
女性も想像よりたくさんいて少し安心。髪を高い位置でお団子にして、その上に鉢巻をぐるっと巻いたものを乗せたスタイルがかっこいい!
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
10時、担ぎ手たちが揃ったところで、錦町三丁目町会の前田智彦会長と、錦町三丁目第一町会の神田錦町「更科」の堀井市朗会長によるご挨拶。夜まで続く御神輿の巡行に向けて、士気を高めます。
まずは神田祭で最も見応えのあるビッグイベント・神輿宮入りへ。
神輿宮入りには大小200を超える各町の神輿が参加し、それぞれが神田の街を練り歩きながら神田明神を目指します。
さあ、いよいよ出陣です!
「エイサ!」「ソレ!」などの掛け声をかけながら進んでいく姿にこちらも胸が高鳴ります。
足袋を忘れたのか、時折裸足のままの方も!? と思いきや、これはベテランの証とのこと。
錦三丁目の神輿は、担ぎ手と見守り等、総勢150名。ひとまず編集スタッフは、イメージトレーニングを兼ねて担ぎ手たちを神輿のそばで見守ることに。
神輿はかなりの重さがあるため、想像以上にゆっくりと進みます。重さは、担ぎ棒も含めると1トンほどあるのだとか…! 長く受け継がれてきたものということもあり、二重の重みがあります。
当然ながら、重い神輿を最初から最後まで同じ人がずっと担ぐことは到底できません。先導する方が担ぎ手のバランスを見て、だいたい5〜10分ごとに「安田不動産さん入って〜!」などの声掛けがあり、担ぎ手が入れ替わっていきます。 積極的に担ぎたい時は、神輿のそばを歩いて隙間が空いたらさっと入ったり、「もう、限界…」という顔をしている担ぎ手の人と自ら交代しても◯。
編集スタッフ林を発見! 後ろのお兄さんが大きくて、肩に棒が乗っていない感じもしますが…うん、指の腹でしっかり担いでる!!
背が高い人に負担がかかりがちなので、タオルなどを肩に忍ばせているのだそう。
入れ替わり立ち替わりみんなで力を合わせながら歩を進め、最初の目的地へと近づいていきます。
Text: Kana YOKOTA(BAUM)
Edit: Akane HAYASHI
Photo: Yuka IKENOYA(YUKAI)