不安や困りごととの関わり合いをつくる、表現や場の力|こんなだった、なんだかんだ12 #2

2025年11月に12回目の開催を終えた「なんだかんだ」。多くの出会いが生まれた時間となりましたが、それは画期的で魅力的なアイデアに取り組まれる演者のみなさんの存在があってこそ。気づくことや学ぶことが多く、そうしたアイデアはいかにして生まれ、育まれていったのか——その背景に、何か大きなヒントがあるような気がします。
そこで、なんだかんだクリエイティブディレクターの池田さんとともに、今回初めて参加いただいた就労継続支援B型BaseCampさんを訪問。日頃の活動の場を体験させていただくとともに、これまでの歩みについてお話を伺いました。

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●BaseCampの活動の場へ

BaseCampの拠点は、東京メトロ千川駅から徒歩一分。インターホンを鳴らすと、メンバーのみなさんが総出で「こんにちは〜!」「どうぞ〜」と迎えてくれました。久しぶりに親戚の集まりに参加したような歓迎ぶりで、嬉しい気持ちになります。

中に入ると、まずは円になって自己紹介へ。今日の調子や最近嬉しかったことなどを共有していきます。場がほぐれてきた頃、「次は一緒に踊りましょう!」と声がかかり、一人の男性メンバーが前に出て「僕の動きを見て真似してください」とリード。戸惑う間もなくダンスがスタートし、みなさんのキレのある踊りに誘われるように身体を動かすうちに、自然と心もほぐれていきました。

すっかりBaseCampの空気に馴染んだところで、取り組みを紹介いただきました。メンバーの経験や困りごとを演劇やラップにする取り組みや、長期入院している方への退院支援、出張イベントやグッズ展開など、幅広く接点を持てるような活動を積極的に行っています。

紹介の最後には、「せっかくなので」とラップを披露いただきました。スピーカーからビートが大音量で流れ、メンバーの方々が身体を揺らします。詞は、メンバーの苦労や経験をもとに、BaseCampにたどり着くまでのことが綴られており、そこには明確な答えがあるわけではありません。けれど、ダイレクトな言葉が心地よいリズムとともに飛び込んできて、見ている側の心にじんわりと刻まれていくのでした。

これらのおもてなしを受けて、池田さんはこう振り返ります。

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BaseCampさんを初めて訪ねて、おもてなしとして披露してくださったプログラムの中で、特に僕が注目したのは「ラップ」でした。メンバーの方々が、自らの不安や切実な悩みをビートに乗せてラップし、仲間たちも「よ~♪よ~♪」と盛り上げる。その内容はあまりにもリアルで、少し戸惑いながらも、陽気に歌うメンバーの姿を焼き付けるように見ました。

しばらく考えていると、これは落語に通じるものがあると気がつきました。立川談春さんの著書『赤めだか』の中で、師匠・立川談志が「落語っていうのは、業の肯定なんだよ!」と語る一節があります。つまり落語とは、何かから逃げ出したり失敗してきた人間の物語であり、それをそのまま肯定するものなんだ、と。
BaseCampさんのラップも、自分の欠点や悩みを他者と共有することで「ま、いっか!」と心を軽くさせてくれる、やさしい時間でした。
「これはすごいなぁ~!大発見だよ」と興奮しつつ、いろんな問いを残してくれる、すばらしい体験でした。

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この画期的な取り組みは、どのようにして生まれ、BaseCampの日々を支えているのでしょうか。スタッフである中島裕子さんと木村純一さんにお話を伺いました。

●誰かの「困りごと」を、表現を通じて分かち合う

木村純一さん(左)と中島裕子さん(右)

池田 たっぷりおもてなしいただき、ありがとうございます。本当に感動しました。

中島 いえいえ、お越しいただきありがとうございます。

池田 何年も前からBaseCampさんの活動を拝見していますが、いつも「なんでこんなにシュールで知的なユーモアのある形にできるんだろう」と驚かされます。メンバーが抱える重たいテーマをラップや即興劇にして、安易な答えは出さず「問い」だけ投げかけることで、観客との関わり合いが生まれているような気がします。
そもそも、なぜ演劇をやろうと思ったんですか?

中島 最初から演劇をやろうと狙っていたわけではないんです。元々は、一人ひとりの困りごとをみんなで聞く場を大切にしていました。でも、言葉だけのやり取りだと、途中で話を遮られたり一方的にアドバイスされてしまったりと、難しさを感じることも多くて。そんな時にふと、「その話をみんなで演じてみたらいいんじゃない?」と思いついたんです。

池田 さらっとお話しされてますけど、そこから演劇にしようなんて発想にはなかなかなりませんからね(笑)

中島 (笑) ただ、私も含め誰も演劇経験がなかったので、最初は「演じる」というよりは、シチュエーションを真似してみる程度の感覚でしたね。

池田 「話を聞く」だけでは寄り添いきれなかったことが、「演じる」ことでお互いを理解し合えるようになったんですか?

中島 いやあ…実際はそうでもなくて(笑) 演劇は「退屈せずに話に関わるためのアプローチ」でもあるんです。そのため極端に言えば、話の内容をよく理解できていなくても、一緒に演劇をして楽しめるだけでもとても意味があると思っています。何度も聞いた話でも、劇にするとなれば、役の立場を考えたり演出を加えたりと、楽しみながらその話に関わりやすくなるんです。

木村 話をした本人役や登場人物役だけでなく、「ゆで卵役」「パソコン役」といった人物以外のものや、目に見えない「不安の声役」「圧迫感役」をつくったりもしますよね。

中島 配役は自由で、話を受けて自分で役を考えてくれることもあります。「楽しさ」を起点にすることで、メンバーが自然と他者の話に関わっていけるようになったことは、演劇の大きな力だと思います。もともとは誰か一人の話だったとしても、そこからみんなで関わることで、また別のものが立ち上がってくる感覚もあります。

池田 以前拝見したステージは、しっかり稽古されていて「作品」として高い完成度でした。日々の活動から、外で披露するまでにはどう発展していったんですか?

中島 最初はちょっとした寸劇でしたが、続けていくうちに「せっかくだからイベントで見てもらおう」と、5〜10分程度の短いものをつくるようになりました。当初は「演劇」や「作品」と言うことすら照れくさいと感じていましたが、今は堂々と作品タイトルをつけて、メンバーも自信を持って演じています。

木村 日々の活動と作品づくりは地続きになっていますね。毎朝のミーティングで困りごとをお互いに話し、その場ですぐ劇にしてみるということを普段からやっているんです。

池田 日々の活動を種に、作品として育てているんですね。ただ、そうした発想の転換って、そうできることではないと思うんです。なにより、「当事者自らが自身の困りごとを演じて見せる」という世界観をつくり上げたことが本当にすごい。何気ない思いつきがはじまりだったとしても、確固たる哲学を感じます。

中島 きっかけは思いつきでしたが、私は元々「人が集まらないとできないこと」に関心があって。メンバーがバラバラなまま、それでも一緒に何かできないかとずっと考えていたんです。オープンダイアローグや当事者研究などを参考にしながら、自分たちの場に合う形をずっと試行錯誤してきました。その中で、この「演劇」にたどり着いたんです。

池田 BaseCampさんの演劇には、それぞれの個性がありつつ、一つの集団としての世界観を感じていて。お互いを尊重していることで成り立っているところに感動するんです。

中島 「みんなでつくっていく場」「お互いを大事にできたら」ということは、毎日口にしてますね(笑)

木村 今日のように見学の方が来られた時も、お客さんも取りこぼさずに、みんなで場をつくることを心がけています。一人ひとりがいるからこそこの場が成り立つ、という感覚は常に意識していますね。

池田 確かに、BaseCampさんの説明の時に、僕らには応援用のうちわを渡してくれて、一緒に場に参加している感覚がありました。それと、みなさんが「これは自分の仕事だ」と手を抜かずに取り組んでいる姿が、本当に素晴らしかったです。

●ちょっとだけ無理ができる、安心感のある場

池田 ラップも結構リアルな内容で、正直どう受け止めたらいいか戸惑ってしまったんですが、歌っている本人はすごく生き生きとしているんですよね。その姿を見て、こちら側の偏見や先入観を取り払って、学び直さないといけないと思わされました。

中島 まだ手探りの活動なので、そう言ってもらえると励みになります。

池田 BaseCampさんの演劇は、いわゆる芸術としての演劇とは異なり、「その場にいる人との出会いをどう広げるか」を考えているものだと思うんです。僕らが取り組む「なんだかんだ」も、路上に畳を敷いていろいろな方に集まってもらい、領域を取り払ったところで突然演奏や劇がはじまったりして、知らない世界に出会える場をつくりたいんです。
そういった時に大事なのが、今日最初にやってくれたダンスで。初対面同士で踊るのって恥ずかしいけど、みなさんが受け入れるように踊ってくれたことで、距離がぐっと縮まった感じがしたんですよね。

木村 今日は特にメンバーも張り切っていたと思います(笑)
「どうすればみんなが気持ちよく過ごせるか」というシステムや工夫については、日々自分たちでもしょっちゅう話し合っていて、ダンスにしても演劇にしても、日によって雰囲気や反応が違うこともあるので、少しずつ工夫を重ねてきたことがこう受け入れてもらえているのかもしれません。

池田 「なぜやるか」ではなく「どうやるか」をものすごく考えていますね。困りごとの原因を探るのではなく、どう乗り越えていくかをみんなで考える場になっているというか。
ちなみに、ラップや演劇ってハードルがあると思うんですが、抵抗があるメンバーはいないんですか?

中島 最初はハードルを感じる人もいますが、やってみると「意外とできた」と楽しんでくれることが多いですね。
これは言葉を選びますが、BaseCampでは「ちょっとだけ無理してみる」瞬間があってもいいと思っているんです。無理やり頑張らせたいわけではなくて、不安だけどそのまま飛び込んでみる、というか。

池田 それを中島さんは「いいよ、いいよ」という言葉でまろやかに包んでいますよね。今日訪れてみて、その声かけが「失敗しても大丈夫な場なんだ」という安心感をつくっているんだなと思いました。

●領域を超えてひろがる未来

池田 この先やってみたいことはありますか?

中島 やっぱりさまざまな人が関わることで活動が広がっていくので、新しいメンバーが入ってきてくれたら嬉しいです。あとは、精神科病院に入院中の方との関わりももっと深めていきたいです。入院中の方とも一緒に演劇やラップができたらいいですね。

池田 積極的に活動を広げつつ、実直に積み重ねているところも本当に素晴らしいです。今後の展開で考えていることはありますか?

中島 演劇やラップは「これは発見だ!」と思って取り組んできたんですが、最近はすっかり日常にもなっていて。かと言って、次はどんどん上達を目指すぞ!というのも違うし…これからどうしましょう。

池田 上手くなろうとすると自由がなくなりますからね。もっといろんな人を巻き込んで、異なる場所でやっていくのもいいかもしれません。福祉を超えたり、演劇を超えたり、部屋の外に出たり…何かしらの「領域を超える」ということにヒントがありそうです。

中島 いろんな領域とコラボレーションするのはいいですね。実際にお声がけいただくこともありますし、そこから得られる刺激もまだまだありそうです。

池田 最近ビジネスの文脈で「ケア」が語られることも増えてきて、いよいよメンタルヘルスの時代になってきたなと感じていて。AIが普及する社会だからこそ、身体性を伴う表現や場づくりは新しいカルチャーになっていくと思うんです。
その中で、BaseCampさんの演劇のような画期的なアイデアはとてもヒントになります。ケアの本質とも言える「ちょっと楽にいられる」「大丈夫だと思える」表現や場にずっと取り組まれていて、もっと真似されるべきことだけれど、それをどうやってつくっているのかがみんなわからない。なので、もっと広めていくことをお手伝いしたいなと、改めて思いました。

中島 そう言ってもらえるのは本当に心強いです。これからもぜひよろしくお願いします!

池田 まずはめちゃくちゃかっこいいプロモーションムービーをつくりましょう!

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不安や悩みをすぐに解決することは難しくても、誰かと一緒に受け止めることで、ほぐれるものがある。
BaseCampさんが取り組むラップや演劇には、無理に答えを出そうとするのではなく、「いまを少しでも楽に、安心していられる状況をいかにつくるか」という、切実で温かな眼差しがありました。

こうした「ちょっと楽にいられる場」をつくることは、そう簡単なことではありません。けれど、演劇やラップといった「遊び」のような表現が、時として扉をひらく鍵になる。そんな可能性をBaseCampさんは教えてくれました。
なんだかんだもまた、さまざまな取り組みに学びながら、なんだかんだなりの大丈夫な場をつくっていきたいと思います。

Text/Edit: Akane Hayashi
Photo: Masanori Ikeda(YUKAI)

不安や困りごととの関わり合いをつくる、表現や場の力|こんなだった、なんだかんだ12 #1

2023年にはじまり、あっという間に12回目を迎えた「なんだかんだ」。大小さまざまな規模で展開し、路上を大々的に使って開催するのは4回目です。着実に回を重ねつつも、ひとつの型に収まるのではなく都度やり方を探りながら、多様な発見にあふれる場をつくってきました。
▶︎これまでのなんだかんだhttps://opkd.jp/nandakanda/

境界なく演目たちが繰り広げられる畳の上は、私たちをあたらしい世界や体験に出会わせ、誘ってくれるゆるやかな舞台です。演者も参加者も渾然一体となり、どこか居心地がよく、安心できる時間や場をともにする。そんな光景を生み出すことが、なんだかんだを通してずっと取り組んできていることです。
12回目となるなんだかんだも、たくさんの方に協力いただき、目まぐるしくあらゆる光景が生まれていきました。そんな濃密な一日の様子をお届けします。

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なんだかんだ12のスローガンは、「なんだかんだと、よくがんばって生きてきた」。
クリエイティブディレクターの池田晶紀さんは、改めて「なんだかんだ」という場を捉え直し、この場に込める想いをこう綴りました。

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「なんだかんだ」は、障害のある人、福祉施設の方、アーティスト、役者、ミュージシャン、医師、この街を愛する人、こどもや親など、さまざまな立場の人たちが出会い、生き方や表現をたがいに分かち合いながら、「たのしむ意欲」を交換する祭典(場)です。ここで生まれるアイデアや関係性を、「社会の中でどう活用できるか?」を探る、創造と実験の場として位置づけています。
私たちはこの場を、“あたらしい縁日”と呼んでいます。この縁日には、「こんなやり方があったんだ」や「なんだかちょっと楽になった」といった声が、自然と集まってきます。見方や考え方を、少しだけやわらかく変換するようなアイデアが、ここにあります。縁日では、会場となる路上や建物の中に、合計300畳の畳が敷かれています。普段、畳の空間は「内と外のあいだ」を感じさせるものですが、靴を脱いで路上の畳に一歩ふみこめば、そうした境目の感じ方が違うかもしれません。路上の畳からは、ビルの隙間から見える空や、人と人がたのしそうに過ごす様子が広がっている時間が流れています。

出会ったことのない世界、出会ってみて初めて知る体験。体感する心地よさや、出会い方そのものが、この縁日の魅力です。じわじわと共感が生まれ、気づけば「ここ、なんか居心地いいな」と感じてもらえるような時間になったら、うれしいです。

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●演劇・配達・かるた。問いや勇気を与えてくれる、画期的なアイデアたち

たくましく、たのしく生きていくためのアイデアや工夫を分かち合う。そのアイデアを持ち寄るのはさまざまな立場や分野で活動される方々で、特に第一回目から障害のある方や福祉施設の方に多く参加いただいています。
日頃から楽しむことや気持ちをほぐすことを考え、向き合っているからこそ生まれるアイデアや表現はとても画期的で、自然と惹き込まれ、見ている私たちに問いや勇気を与えてくれました。

就労継続支援B型BaseCampによる、
即興お悩み相談パフォーマンス「べーきゃんくりにっく」。
会場の中からお悩みを聞いて、BaseCampのメンバーがその場で演劇に!
「やりたいことがたくさんあって寝る時間がない」という学生さんからの悩みには、
主人公の周囲をいろいろな欲求に扮したメンバーたちが次々に取り巻く劇に。
メンバーの巧みでユーモアなお芝居も相まって、思わずクスッとしてしまうその様子に
劇にすることで切実な悩みも少し軽くするような不思議な力が感じられました。
会場に突如現れた車いすの集団は、佐野夢果さん考案のワークショップ
車いす夢のデリバリー「記憶を届ける 〜宇宙編〜」。
車いすに乗って街へ繰り出し、なくした記憶を集めるというものです。
いざ街へ出ると、記憶をなくして困っている生き物があちこちに。
記憶を思い出す手助けをして、記憶のかけらを集めていきます。
話を聞いて困りごとを助けるたびに、通じ合えていく気がします。
車いすに乗ることと、困っている人を助けることをセットで体験し、
最後は社長から報酬をいただいて、達成感もひとしお。
世田谷の福祉事業所・ハーモニーによる幻聴妄想かるた。
メンバーが実際に体験したことを句と絵にしたかるたを競いながら、
ユニークな絵とメンバーから語られるエピソードを通して、
知らなかった幻聴や妄想の世界に触れていきます。
画材循環プロジェクト「巡り堂」のスペースでは、
なが〜〜〜〜い紙が敷かれ、思う存分画材を使って、思う存分描ける空間に。
廃棄されてしまう画材たちが巡り堂のメンバーの手によってピカピカに磨かれ、
またさまざまな人の手にわたって、その場を鮮やかにしていました。

●お馴染みとはじめましての演目が、混ざり合うように楽しさを生む

他にも畳を埋め尽くすほどさまざまな演目が大集合。お馴染みの演目はこの場をより安心感のあるものにし、はじめましての演目はこの場に新しい光景を生んでくれました。

建築家 藤本信行さんによる茶道教室「露天風炉」。
オープンな空間のせいか、お客さん側のリアクションもどこか開放的。
TOBICHI 東京による「おちつけ書道」もすっかりお馴染み。
書くことに向き合う時間って、実はとっても落ち着く。
元図工教員のひつじ先生のコーナーでは、
ハレパネにさまざまな材料を貼ってゆかいな生物をつくります。
色とりどりな素材にときめくままに、個性豊かな生き物たちが次々に爆誕。
はっとりこうへいさんの色を削るワークショップでは、
木片に好きな色を重ねて塗り、ヤスリで削ると
色の混ざり合いが浮かび上がってくるという新鮮な体験!
手芸用のモールで人形をつくる、共立女子大学 建築・デザイン学科 藤本ゼミの「HEART MEAT」
手軽な材料で簡単につくれるので、
災害避難時の不安やストレスも和らげてくれるというアイデアです。
つくりながら話したり、自然を気持ちを共有できる場になっているのも
この人形たちのかわいさのパワー。
能登半島地震をきっかけにつながった個人の集まり「Futo」のコーナーには
災害を機に廃棄される予定だった着物や古布をレスキューしたものが並びます。
さまざまな変化に向き合わざるを得ない中、変わらず残る美しさに、一層の輝きを感じます。
ひびのこづえさんと奥能登・珠洲の食堂をたのしく飾る「#珠洲をあむプロジェクト」
色とりどりのビニールテープを編むと、質感も相まってなんとも鮮やかかつ華やか!
茨城県日立市にある多機能型就労支援事業所ひまわりの「なんだかんだコーヒー屋さん」
はるばる来てくださったメンバーの方が丁寧に淹れるコーヒーは身に染みます。
お昼時にたくさんの人が集まる畳の上で突如行われたのは、
伊藤千枝子さんの歌とダンスのパフォーマンス。
体ひとつで表現し切る姿は会場全体を惹き込み、ほとばしるパワーはたくましい!
前回のなんだかんだで好評だったパン食い競走
パンを咥えるだけで盛り上がるって、あらためて考えると不思議な文化。
カクシンハンのロミオとジュリエットは、恒例ながら何度見ても名作。
青空ウィスキングは、人目を憚るよりも植物の包み込む力が上回ってみなさん安らぎに没頭。
篠崎芽美さんとダンススル会の子どもたちによるオリジナル作品「ダンススルゴミ」
ゴミをテーマに、子どもたちの鮮やかな感覚で捉えた景色をダンスにしたという
パフォーマンスは息を呑むほど圧巻!
今回はテラススクエアも会場となり、さまざまな演目が展開。
ミニトレインは見ているだけでもかわいい光景。
鉄作家・小沢敦志さんの鉄をぺちゃんこにするワークショップは、
子どもも大人も全員興味津々。
Mobilis Aquariumの「ちいさな東京湾水族館」では、
東京湾に暮らす生き物たちが神田にやってきてくれました。小さくても、水族館ってときめく。

すっかり日が暮れ、クライマックスの時間が近づくと、バンドセットと大きなキャンバス、大量の植物が路上に現れます。なんだかんだに縁のあるメンバーで構成された即興コミックバンドが組まれ、正則学園の花いけ男子部による花いけの生パフォーマンスが展開。そして、大きなキャンバスの前には女優の鈴木杏さんが登場し、ライブペインティングを披露!

これらの3つが同時に繰り広げられるセッションタイムに会場も目が離せず、さまざまなものが領域を越えて混ざり合う、なんだかんだらしい締めくくりとなりました。

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なんだかんだは年に数回の取り組みですが、ここに集まる演者のみなさんはそれぞれの場所で、日々活動を積み重ねています。披露してくださった画期的で魅力的なアイデアからは気づくことや学ぶことが多く、そうしたアイデアがいかにして生まれ、育まれていったのか、その背景にこそ大きなヒントがあるような気がします。

なんだかんだが、あらたな世界との出会いの場としてさらに発展できるよう、そのヒントをつかむべく、今回初参加いただいた方にお話を伺いました。

#2に続く

Photo: Masanori Ikeda(YUKAI), Mariko Hamano

神田いらっしゃい百景|stacks bookstore

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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stacks bookstore
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目41−1 1F
アクセス:
地下鉄神保町駅より徒歩4分

訪問者 林亜華音
オープンカンダ編集スタッフ。
stacksに行くといつも
隅々まで探索したい衝動に駆られます。
棚づくりって奥が深い。

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
全ての商品が普段あまり見かけない
魅力的なものばかりで、
見ているだけでハッピー気分!

いざという時の心に寄りそう防災のかたち|こんなだった、なんだかんだ11

「備えあれば憂いなし」と言いますが、災害という非常事態においては、どれほど備えがあっても、憂いを完全になくすことは難しいものです。だからこそ、憂いをなくすのではなく、安心や落ち着きをもたらす。そんな備えも必要かもしれません。

今年も9月1日の「防災の日」にあわせて開催したなんだかんだ。今回は、食や道具といった物理的な備えに加えて、災害時には「心の備え」も大切であることに目を向け、不安な気持ちをほぐす工夫やアイデアが集まりました。
さまざまな団体、作家、学生のみなさんと協力しながら、お互いの知恵やアイデアを持ち寄り、安心や心強さが広がっていく場となりました。

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会場はお馴染みの神田ポートビル。路上に畳を敷き、屋内外がゆるやかにつながる空間の中で、来場者は思い思いに立ち止まり、体験し、語り合いました。

●在宅避難時の強い味方!パッククッキング
共立女子大学 食物栄養学科 山田ゼミ

会場入口の調理コーナーでは、共立女子大・食物栄養学科の学生による「パッククッキング」を実演紹介。在宅避難時でも可能な調理方法のアイデアをレクチャーしてくれました。

この日つくられたのはシーフードカレー。使用するのはすべて常温保存が可能な食材で、調理器具は使わず、ビニール袋で材料を混ぜて湯煎するだけですが、あさりや鯖缶を使うことで、避難食のイメージを覆す贅沢な味わいに。

こうした制約の中でも、一工夫すればおいしい食事をつくれることは嬉しい発見です。
栄養が偏ると心の調子も乱れてしまうので、避難時だからこそしっかりした食事を摂るアイデアを備えておくことの大切さを実感しました。

●いざという時に寄り添い、役立つ大事な友達
子どものための防災グッズ わらべぇ

調理コーナーの隣には、ちゃぶ台の上に3色のぬいぐるみが並びます。これは、女子美術大学短期大学部プロダクト研究生の礒邊未彩さんが考案した、子どものための防災グッズ「わらべぇ」です。
普段は一緒に遊べるぬいぐるみですが、お腹を押すと暗い場所で安心できるライトになったり、頭部のポーチに防災グッズやお気に入りの小物を入れられたりと、非常時の機能性も兼ね備えています。
さらに腕に巻きつけることもでき、両手を自由にしたまま持ち歩けるのも心強いポイント。
なによりほんのり微笑むわらべぇの姿がとてもチャーミングで、心細い気持ちにやさしく寄り添ってくれる気がしました。

●避難生活の心をほぐす、HEART MEET
共立女子大学 建築・デザイン学科 藤本ゼミ

神田ポート内の畳や壁には、手のひらサイズの小さな人形たちがずらりと並びます。
これらはすべて、手芸用のモールでつくられたもの。ハサミやのりは使わず、モールを折り曲げてビーズなどを刺すだけで、なんとも愛くるしい人形をつくることができます。

つくり方はとてもシンプルですが、モールの色や長さやパーツの配置などちょっとした調整で表情が大きく変わり、自分の好みにこだわることができるのも魅力。

没頭していくうちに、隣の人と見せ合ったり、アイデアを交換したり、自然と会話が生まれていきます。
このHEART MEETは、人形をつくるワークショップであると同時に、「誰かと一緒に人形をつくる」ことを通して、災害発生後の避難生活で生まれる不安やストレスに寄り添い、少しでも心を楽にすることを一緒に考える場でもあります。
人形をつくりながら何気ない会話を交わすその時間そのものが、心をほぐす力を持っているようでした。

●日常から非常時にも役立つ、ひも1本の驚くべきパワー
TOTONOL

外の畳に出ると、何やら身体にひもを巻き付ける人たちの姿が。リストラティブヨガのマイスター・TOTONOLさんによる「ひもトレ」講座では、身近にある丸ひもを身体に巻くだけで起こる変化を体験しました。巻き方次第で、肩や腰の不調が楽になったり、歩きやすくなったり、眠りやすくなったりとその効果はさまざま。
災害時は環境の変化で体調を崩しがちだからこそ、自分を整える術を知っておくことが大切です。

ほかにも、重いリュックを背負う際にひもを巻くことで、荷重が安定し、負担が軽減されるという実践的な知恵も。なにより、「ひもを巻くだけ」という手軽さは、非常時にもすぐ活かせるので備えておく知恵としてぴったり。

●知恵や知識を振り返ることも、大事な防災

昨年に続いて参加してくださった方も多く集まりました。
一度学んだことでも、時間が経てば記憶は薄れてしまうもの。年に一度、振り返る機会を持つことも大事な備えです。

全国各地で救護活動を行う男性看護師集団・Nurse-Menのみなさんによる救命処置体験。
AEDの使い方や心臓マッサージは、何度体験しても無駄になることはありません。
都市で生き残るためのサバイバル術を体験型ワークショップやあそびの中で伝授する
星野諭(かーびー)さんによる「あそぼうさい 〜都市サバイバル編!身近なモノで生き残れ〜」。
遊びながら教えてもらうスタイルのワークショップで、実践が一番大事。
神田消防署が出張防災体験会に出動!
消火器の使い方はわかっていても、使った記憶を新しく持てるとさらに安心できます。
個人向け防災グッズセット「THE SOKO 錦町」は、
厳選されたおいしい保存食を揃えたセットで楽しく備えることも大事。
ほぼ日オリジナルのテント「kohaku」を立てると、たちまち避難所兼遊び場に。
神田警察署の署員の方も防災マインドをやさしく丁寧に警鐘。

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畳に集まってそれぞれの知恵を交わし、試し、話し合う。
「あの人から教えてもらった」という記憶は、その知識をより確かなものにし、いざという時の心強さにつながるように感じられました。

災害は、一人ではどうにもならないことが多いからこそ、周囲と知恵やアイデアを共有し、広げていくことが大切です。備えは自分を守るだけでなく、誰かを支える力にもなり得る。そんな防災の可能性を改めて感じる一日でした。

古書から新刊まで街にあふれる日。神保町、二つの“本の祭り”をめぐる|神保町ブックフェスティバル編

本の街・神田神保町。古書店や出版社が多く集積し、近年では世界からも注目を集めているこの街では、毎年秋に大規模な本のお祭りが二つも開かれます。
それが、「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」。それぞれ異なる背景のもとに生まれた別々のお祭りですが、この街の風物詩として長く親しまれてきました。
一方で、その規模の大きさゆえに、全貌を把握しきれていない方も多いのではないでしょうか。

そもそも、二つのお祭りの違いは何なのか。
どんなお店が集まり、どんな本が並ぶのか。
そして、本の街・神保町で行われるからこその楽しみとは——。

神保町はいつ訪れても多彩な本が集まる街ですが、お祭りならではの巡り合わせがあるこの機会。「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」を通して街へとあふれ出す、さまざまな本との出会いをご紹介します。

神田古本まつり編はこちら

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●本をつくり続ける出版社による、新刊中心のフェス
神保町ブックフェスティバル

神保町ブックフェスティバルは1991年に始まり、老舗書店や飲食の名店が並ぶ神田すずらん通り商店街を中心に200以上のワゴンが立ち並ぶ大規模な本のお祭りです。多様な出版社が出店するこのお祭りは、出版業界の今を体感できる場とも言えます。
そんな大きなイベントを取り仕切る、神保町ブックフェスティバルの実行委員長であり、三省堂書店 代表取締役社長の亀井崇雄さんにお話を伺いました。

——神保町ブックフェスティバルはどういった背景から始まったのでしょうか。

亀井 神保町ブックフェスティバルが誕生したのは1991年で、神田古本まつりの30年ほど後になります。当時はすでに神田古本まつりが多くの人に親しまれていましたが、新刊書を中心としたお祭りを新たにつくることで、さらに神保町を本の街として盛り上げようと、街の人が中心となって立ち上がりました。

——どのような方が出店されるのでしょうか。

亀井 主に出版社です。各出版社が自社で刊行した書籍を、倉庫などに保管している在庫を含めて販売する形になっています。その他にも、開催地であるすずらん通りをはじめ、周辺の飲食店や文房具店など、本以外のものを扱うお店も出店しています。
そういった近隣店舗を除いては、基本的には募集制で、出版社であれば規模の大小は問いません。老舗から新規の出版社まで、販売できる本をお持ちであれば、幅広く参加できるようにしています。

——小規模だったり、インディペンデントな出版社であっても、ワゴンを並べられる本があれば出店できるんですね。
ワゴンはすずらん通りからさくら通りに渡って並びますが、当初からこれほどの規模だったのでしょうか。

亀井 最初から比較的広いエリアを使っていましたが、当時は一社でワゴンを二台持つなど、ゆとりのある配置でした。
ただ、近年は出店希望者が大幅に増え、200社を超えるようになったため、現在は一社あたりワゴン一台に制限しています。それでも数が足りず、やむを得ずお断りすることもあります。

——近年の出版の盛り上がりを感じますね。当日は200台ものワゴンが並ぶとのことですが、ジャンルごとのエリアなどあるのでしょうか。

亀井 特にジャンルによってエリア分けをするようなことはしていません。毎年出店されている出版社さんについては、なるべく同じ場所になるよう調整していますが、基本的にはさまざまな分野のワゴンが隣り合う配置になっています。
配置についても質問があればお答えしていますが、会場でマップの配布はしていないんです。目的を決めずにぶらぶら歩きながら、「これだ!」という一冊との出会いを楽しんでいただきたいと思っています。

2024年の様子

——200台以上も並ぶワゴンの中から出会いを楽しめるのは、想像するだけでもわくわくします。

亀井 実際に回ってみるとあっという間に時間がすぎてしまうので、余裕を持ってお越しいただけるといいかもしれませんね。
専門書のみを扱う出版社もありますが、普段あまり馴染みのない分野の本と出会えるのも、このイベントならではです。出版社の方と直接話ができるのも貴重な機会なので、そういった交流も大きな魅力だと思います。

——確かに、出版社の方が店頭に立つ機会は普段なかなかありませんよね。

亀井 ご自身が担当された本については隅から隅までご存知ですし、出版社の方の視点でおすすめを聞いてみると、新しい発見があると思います。出版社の方にとっても、読者の方と交流できる機会は貴重なので、楽しんで参加されているんです。本との出会いだけでなく、つくり手と読み手が交わるお祭りとして、存分に楽しんでいただきたいですね。

——出店者・来場者ともに非常に多くが集まり、本当に大規模なイベントですが、これまで続けてこられた中で大切にしてきたことは何でしょうか。

亀井 愚直に「本のイベント」として続けてきたことだと思います。出版不況や書店の減少など、業界を取り巻く環境は変化してきましたが、それを意識して大々的な広告を打つようなことはせず、とにかく絶やさず開催し続けることに徹してきました。そうした積み重ねが、自然と広がり、今の盛況につながっていると感じています。
開催地が神保町という街の求心力も大きいと感じるので、「本のイベント」であり「街のイベント」として、残していかなければいけないと思いますね。

——こうした規模のイベントを続けていくには、運営の組織づくりもとても重要に思います。実行委員会として運営されていますが、どのような方が関わっているのでしょうか。

亀井 弊社の社員をはじめ、この界隈の出版社や書籍関連のサービスに携わる方、地域のフリーペーパーの編集長など、さまざまな形で神保町や本に関わっている方々が集まっています。長年尽力されている方も多く、世代交代をどう進めていくかは大きな課題です。本業の合間を縫って準備をしているので、正直忙しく大変な面も多くありますが、それでも当日を迎えると、皆さんとても楽しそうなんです。特に出店者や来場者の様子を見ると、「やってよかった」と心から感じます。こうした感覚は言葉ではなかなか伝わらないところですが、この場の意義や熱量も含めて、次の世代へ引き継いでいきたいですね。

——改めて、この街にとって神保町ブックフェスティバルはどのような存在でしょうか。

亀井 本は今、さまざまな方法で購入できますが、このイベントは街同士、人同士のつながりを保つための場でもあると思っています。
本に関わる仕事をしている立場からすると、これだけ多くの人が「本を買うためだけ」に集まる光景を目の当たりにすると、本当に勇気をもらえます。それはきっと出店者も来場者も同じで、本が好きな人たちが「まだ本は廃れていない」と再確認できる場なんですよね。なんとかここを旗印に、業界みんなで頑張ろうという気概を見せていきたいと思います。
また、街にとっても年に一度、お店を構える方や住んでいる方が自然と集まり、協力し合う機会になっていると感じます。お祭りとして、街の取り組みとして、どう継続していくかを模索しながら、これからも続けていきたいと思います。

●苦渋の“開催見送り”を経て、いま見据えること

インタビューの数日後に迎えた当日。早朝から雨雲に覆われ、天候が危ぶまれる中、SNS上でも出店者や参加者から開催を願う声が多く見られました。
しかし、開始数時間前、雨天により2日間とも中止が発表されました。30年にわたり多くの人に親しまれてきた場を中止とする決断は、実行委員にとっても非常に苦しいものだったはずです。こうした判断を受けての思いを伺いました。

——何ヶ月も前から準備を進めてこられた中で、今年の開催中止は苦渋の決断だったかと思います。率直なお気持ちをお聞かせください。

亀井 本当に残念でなりません。街の方に聞いたところ、2日間とも開催できなかった年は、今年が初めてだそうです。
土曜日の朝、実行委員で集まって開催の是非を検討している間も、地方からはるばる出店に来てくださった出版社の方や、楽しみに来場されたお客様の姿を見かけて、なんとか開催できないかと気持ちは揺れていました。
しかし、2日間の天気予報は揺らぐことのない雨の予報で、断腸の思いで中止を決定しました。何ヶ月もかけていた準備の成果が一瞬で失われ、さらにご来場のお客様の笑顔を見ることもできず、街全体が落胆しているように感じました。私自身も、喪失感でやるせない気持ちでした。

——中止のご案内からもそのお気持ちが伝わってきて、一層心苦しく感じました。
開催を心待ちにしていた読者や出店者の方々へ、来年の開催に向けたメッセージをいただけますでしょうか。

亀井 楽しみにしてくださっていた皆さまには申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、濡れてしまった本を開くときの気持ちは本当に下がってしまうので、皆さまの大切な本を守るためにも、雨には最大限の気を配りながら運営をしています。
もともと、「この時期の天候は安定している」という通説のもと開催時期は変えずに行ってきていましたが、近年は秋雨がお祭りに重なってしまうことが増えてきました。来年の開催に向けては、雨対策をどうするかは実行委員会でしっかり検討したいと思います。
来年はたくさんのお客様の笑顔に出会えるように、しっかり準備をしてまいります! 来年もご来場をお待ちしております。

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今回神保町ブックフェスティバルの現場をご紹介することは叶いませんでしたが、話を通して二つのお祭りの共通点が見えてきました。
それは、本との“出会い”を楽しむということ。
おすすめもマッチングもされない環境に身を置き、目の前に並ぶ膨大な本とひたすら向き合うことは、世の中にどんなことを考えている人がいるかを知り、自らの心の動きをゆっくり感じる時間があります。
そしてそれが本の街で行われているからこそ、街中であってもその時間は邪魔されることなく、存分に浸ることができる。書に耽ることを街全体で受け入れてくれることが、このお祭りの醍醐味と言えるかもしれません。

早くも次の秋が待ち切れませんが、神保町の書店巡りにたっぷり時間を費やしながら、本を抱えて1日歩き回れる身体に鍛えておきましょう。

Edit/Text: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

古書から新刊まで街にあふれる日。神保町、二つの“本の祭り”をめぐる|神田古本まつり編

本の街・神田神保町。古書店や出版社が多く集積し、近年では世界からも注目を集めているこの街では、毎年秋に大規模な本のお祭りが二つも開かれます。
それが、「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」。それぞれ異なる背景のもとに生まれた別々のお祭りですが、この街の風物詩として長く親しまれてきました。
一方で、その規模の大きさゆえに、全貌を把握しきれていない方も多いのではないでしょうか。

そもそも、二つのお祭りの違いは何なのか。
どんなお店が集まり、どんな本が並ぶのか。
そして、本の街・神保町で行われるからこその楽しみとは——。

神保町はいつ訪れても多彩な本が集まる街ですが、お祭りならではの巡り合わせがあるこの機会。「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」を通して街へとあふれ出す、さまざまな本との出会いをご紹介します。

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●二つのお祭りは、何が違う?

毎年秋に神保町で開催される「神田古本まつり」と「神保町ブックフェスティバル」。名称が似ていることもあり混同されがちですが、それぞれ異なる背景と特徴を持つお祭りです。

最も大きな違いは、「誰が出店するか」と「どんな本が並ぶか」。
まず、神田古本まつりには古書店が参加し、各店の選りすぐりの古本が並びます。古書店街として栄えてきた神保町のルーツに深く根ざし、幅広い古書の魅力に触れることができる伝統的な祭典です。
一方、神保町ブックフェスティバルは主に出版社が集まり、各社が発刊する本を中心に販売。出版社も集積する神保町の特性を生かし、“本をつくる”立場にある出版業界を応援しながら、本のカルチャー全体を盛り上げることを目指しています。
そして、両者に共通しているのは、どちらも入場無料で楽しめるということ。気軽に立ち寄り、あらゆる本棚を自由に巡る体験は、普段の本屋の楽しみ方に通じるものです。

古く受け継がれてきた本と、新たに生み出された本がそれぞれに一堂に会するこの機会は、本が積み重ねてきた歴史と、その文化の熱を肌で感じられる場でもあります。その臨場感は、書店やオンラインショップではなかなか味わうことができない貴重なものかもしれません。

では、こうした特徴を持った二つの大規模イベントは、どのようにして開かれ、どんな風景を街にもたらしているのでしょうか。それぞれの現場と裏側に迫っていきましょう。

●膨大な古書たちとの巡り合わせを楽しむ。神田古本まつり

神田古本まつりは1960年に始まり、今回で65回目の開催を迎えました。
日本最大級の古書の祭典として知られていますが、その出発点には、街と本をめぐるある危機感があったといいます。神田古本まつりの広報を務める望月さんにお話を伺いました。

——神田古本まつりはどのような背景で開催に至ったのでしょうか。

望月 私が生まれる前の話になりますが、1960年に始まったと聞いています。当時はテレビが普及し始めた頃で、その影響から本の需要が落ち、神保町への客足も減っていたそうです。そうした状況への危機感から、「本や街をもっと盛り上げよう」と立ち上がったのが神田古本まつりでした。

——神田古本まつりといえば、歩道にワゴンが並ぶ「青空掘り出し市」の光景が名物ですが、当初からそういった形で開催されていたのでしょうか。

望月 いえ、当初は岩波神保町ビル近くの広場のみで開催していたようです。まだ歩道空間を使うことに前例がなかったため、東京都や千代田区と協議を重ねながら、少しずつ規模を広げて、現在のような形になっていきました。ワゴンが歩道に並べられるようになった際には、「ようやくこの光景をつくることができて感動した」と記述が残っているほど、長年の念願だったようです。

——古本まつりに出店されるのは、基本的に神保町エリアの古書店ですよね。

望月 必ずしもそうでありません。もちろん神保町の古書店が中心ではありますが、名古屋や大阪など、各地からの出店もあります。古書業界はネットワークが広く、各地で行われる古書市場などに参加する中で、自然と全国の書店とつながっていくんです。私たちもさまざまな地域のイベントに出店することがありますし、同じ業界の仲間として、互いに盛り上げていく関係性が築かれていると思います。

——普段は神保町では出会えない書店にも出会うことができるんですね。

望月 まさに、自分の知らなかった古書に出会える機会だと思います。普段は街の至る所に書店があって回るのが大変だったり、初めてのお店に入るには少し勇気がいることもあるかもしれませんが、ワゴン形式だと気軽に覗きやすいので、ぜひいろいろなお店の本を手に取ってみてほしいですね。

——神田古本まつりは毎年多くの方が来場される伝統的な祭典となりましたが、開催を続けていく中で特に大事にされていることはありますか?

望月 まずは、変わらずに続けていくことです。書店のみなさんは何よりも本が好きで、「どうしたら興味を持ってもらえるか」を常に考えています。
立ち上げ当初はテレビ、今ではスマートフォンの普及によって本離れが叫ばれて続けて久しい状況ですが、神田古本まつりを開催すると、興味を持って足を運んでくださる方が本当に多く、その姿から、私たち自身が力や自信をもらえるんです。時代が変わっても、本好きのためのお祭りとして変わらず続けていくことに意味があると思いますね。

——青空掘り出し市の他にも、東京古書会館での希少本の即売会やトークイベントなど、古書にまつわる多様なプログラムがありますね。

望月 それぞれ別の方が企画されていて、本当に大きな組織体制で運営しています。これだけの規模をもって多様な古書に出会える機会は、神田古本まつりならではではないでしょうか。古書は一冊しか取り扱いのないものも多いので、そうした本と巡り合うことは、本当に“縁”なんです。各書店が扱っている分野も本当に幅広いので、運命を感じながら、ぜひさまざまなジャンルの本に触れてほしいですね。

——一つひとつのお店を巡る楽しみもありますが、街中でずらりと並ぶ本に一気に出会うことはなかなかできない体験ですもんね。当日は想像できないほどの数の古書が並びますが、楽しみ方のコツはありますか。

望月 少しでもいいなと思ったら、迷わずすぐに買うことですね。来場者が本当に多いので、「あとでまた来よう」と思っていると、もう売れてしまっていることがよくあります。
それから、できれば早い時間に来ていただくと、ワゴンの品揃えが充実していて出会いも広がります。とはいえ、古本まつりは10日間開催していて、並ぶ本も日々入れ替わるので、そうした変化も含めて“巡り合わせ”と思って、何度でも訪れて楽しんでもらえたらうれしいです。

●通りに掘り出し物が大集合。名物・青空掘り出し市

楽しみ方のコツも伺い、いざ神田古本まつりの現場へ。名物・青空掘り出し市から、希少本が集まる特選古書即売展など、本棚から本棚へと1日歩き回りました。

靖国通り沿いの歩道に、ずらりとワゴンが並ぶ青空掘り出し市。
まずは中間地点にあたる神保町の交差点から散策をスタート。
ワゴンの上には本棚が巧みに組み立てられ、まるで小さな本屋のよう。
隙間からお店の方が覗く様子もどこかチャーミング。
ワゴンの側面にも本が並んでいたり…
本棚の上には、シリーズ本が積み上がっていることも。
さらに足元にもぎっちり本が並んでいることもあるので、全方位見落とし厳禁。
並ぶ本の顔ぶれは書店によってさまざま。
背表紙を眺めながら、その店ならではの個性を読み取っていくのも楽しみのひとつ。
歩道に連なるワゴンは、三省堂書店付近から専大前の交差点まで、
その距離はおよそ600mにも及ぶ。
クリアボックスを棚代わりに使う店もあれば、
ワゴンの組み方に工夫を凝らす店もあり、その表情は三者三様。
本だけでなく、映画のパンフレットや浮世絵を扱うお店も。
古い切符といった思いがけない品に出会えるのも、まさに掘り出し市ならでは。
(当時の電車賃は20円…!)
ワゴンの小さな本棚といえど、本に向き合っていると場所を忘れて没頭していく。
だいぶ見たな〜と思ってもまだまだ本棚が続くうれしい悲鳴。
一冊を大事に抱える人もいれば、特大トートバッグを本でパンパンにする人も。
ワゴンの横には補充用の本も山積み。書店側の気合いも感じる。
膨大な本の量に圧倒されつつ、いつまでも耽っていたくなる贅沢な時間がありました。

●世にも珍しい希少本を目の当たりに。特選古書即売展

青空掘り出し市の会場から徒歩1分。
東京古書会館で行われるのは、「特選古書即売展」。
古典籍から肉筆資料、近代初版本まで、
普段目にする機会の少ない貴重な品々が、神保町内外から集まります。
いざ目の前にすると、「古書」とは単に古いというだけではなく、
二度と同じものがつくられない希少性を持つ存在であることを実感。
古い雑誌を手に取ると、当時の人々が何に関心を寄せ、
どのように暮らしていたのかが、紙の質感と共に伝わってくる。
鮮やかな装丁に惹かれて手に取ってみるとなんと1905年発刊!
本は昔から創作に富んでいて、凝った装丁に出会えることも。
この空間にいると、巻物が並んでいてもすんなり受け入れてしまう。
背表紙には独自のタイポグラフィや凹凸加工が施されたものもあり、表情豊か。
2階で開かれているのは「本の街文化遺産・稀少書展示会」。
博物館や美術館でしか見られないひときわ希少なものが並ぶ。
(この日は1000万超えの希少書も展示…!)
なんと江戸川乱歩の直筆原稿も。走り書き具合から筆者の息遣いを感じる。
希少書は到底手が届かないものでも、今尚残り続け
目の当たりにできることへの感動があり、一層価値深く感じる。

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当てもなく歩き回っても、何かを求めて歩いていたはずでも、思わぬ本と出会える神田古本まつり。膨大な量があるからこそ感じる縁と、選りすぐりの古書が並ぶ確かな品揃えだからこそ生まれる出会いが、そこにはありました。

神保町ブックフェスティバル編に続く

Edit/Text: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

競い合うほど深まるご近所同士の絆|千代田区民体育大会レポート

2025年10月5日、第63回千代田区民体育大会が開催されました。
1963年にはじまった連合町会対抗戦を受け継ぎ、千代田区内に広がるさまざまな地区が一丸となって競技をする伝統的な大会です。神田錦町も、神田公園地区の一員として出場しました。
競技はもちろん、応援席での交流も盛り上がり、終始白熱した一日をレポートします。

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●年に一度の真剣勝負。8つの町会が大集結

快晴に恵まれ、10月初旬ながらもじんわり汗ばむ陽気のもと、千代田区民体育大会は当日を迎えました。
出場地区は神保町、富士見、神田駅東、岩本町東神田、秋葉原東部、万世橋、神田公園、麹町地区の8つ。町会の数でいうと100を超え、千代田区に広がる多様な地区が一堂に会します。

そんな各地区の入場行進から体育大会は幕開け。応援席から声援が上がり、入場から活気が溢れます。

入場行進では、海洋少年団が先陣を切ります。
それぞれのチームカラーを身にまとった各地区が入場。
神田公園チームは緑! 必勝のハチマキを締めて気合十分。
Tシャツは各地区のオリジナルで色鮮やか。
学生時代の体育祭の風景が思い出され、懐かしさを感じます。
整列して開会式へ。
昨年優勝した神保町地区が優勝旗を返還。今年はどの地区の手に渡るのでしょうか…!
国歌・千代田区歌の斉唱、準備体操と、体育大会お馴染みの流れが進み、
次第に出場者の表情も臨戦態勢に。交流も勝負もまっすぐに楽しみます。

会場に集まるのは、ベビーカーの子どもたちから高齢の方までさまざま。各地区で応援グッズを用意していて、着ぐるみを着たり、旗を掲げたりと、それぞれのスタイルで盛り上げます。

⚫︎本気で競い、ともに楽しむ競技プログラム

身体をほぐしたら、さっそく競技がスタート。玉入れ、大玉転がし、買い物競争といった王道種目や変わり種の競技もあり、ギャラリーから見ていてもエンターテイメントに富んでいて飽きません。
これらの競技はすべてが得点対象になるわけでなく、楽しく身体を動かし、地区同士交流を深めることも目的の一つ。本気で競ったり一緒に楽しんだり、誰もが活躍する場面が見られました。

玉入れは男女混合戦。各チーム練り上げた戦略で挑みます。
頭上に玉を投げ入れる動作って、玉入れくらいでしかしないかもしれません。
青空に勢いよく舞う玉たち。
応援にも熱が入り、結果は…
神田公園地区は健闘の末惜しくも二位…!
競技ごとに参加賞がもらえるのも、この体育大会の魅力。
千代田区民体育大会の目玉となるのは「ちよだ五種競技」。
いわゆる障害物競走で、大の大人たちにとっては難儀な障害物を乗り越えていきます。
怪我をしないように気を付けながら駆け抜ける!
定番の大玉転がしはリレー形式で大玉を繋ぎます。
青い空と芝生にカラフルな大玉がとても映える。
グラウンドを各チームの大玉が大疾走!
神田公園地区はほぼミスなく繋ぎ、先頭争いに食い込みます。
大接戦で、固唾を呑んで見守る応援席…
そして…!
一位でゴールし大歓声!
と思った矢先、僅差でのゴールだったためビデオ判定に。
わずかな緊張が走りましたが、判定末、無事に一位が確定し安堵の喜び。
勢いに乗って、まだまだ競技は続きます。

⚫︎競技が白熱するほど、盛り上がる応援と交流

白熱するグラウンドに負けじと、盛り上がる応援席。
お弁当やキッチンカー、炊き出しもあり、宴会席のように団欒が弾みます。
グラウンドの隣にはアスレチックやワークショップブースがあり、
身体を動かし足りない子供たちが大殺到。
明治大学の応援団によるパフォーマンスもあり、会場一体となって大盛り上がり。
再び闘志を奮い立たせ、最後の戦いに臨みます。

⚫︎競うことで深まる絆

大会を締めくくる競技は、地区別対抗リレー。
子供から大人までチームとなり、バトンを繋いでいきます。
ランナーが変わるごとに順位が入れ変わり、会場も息を呑む展開に。
最後は神田公園地区が逃げ切るかたちで一位に!
各チーム全力を尽くした戦いに自然と拍手が湧き起こりました。
朝から6時間にわたる競技を経て、いよいよ結果発表へ。
グラウンドに寝そべり、すっかり燃え尽きた参加者も…
結果はテレビ番組さながらにスクリーンで発表するスタイル。
我らが神田公園地区は惜しくも一点差で準優勝でした…!
優勝したのは万世橋地区。17年ぶりの悲願の優勝に肩を抱き合う様子も。
悔しさを滲ませつつ、やり切った達成感が伺えました。

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地区も建物も人数も規模が大きく、ご近所付き合いが想像しづらいエリアかもしれませんが、体育大会はすべての千代田区民に開かれた交流の場です。オフィスビルに囲まれたグラウンドで、お揃いのTシャツに身を包み、全力で競い合う。ともに楽しみ、ともに励まし合った時間は、たった数時間でも確かな思い出となり、地区同士の絆を深めていきます。

体育大会という受け継いできたものを重んじ、本気で取り組むことで、いい時間が生まれていく。それこそが、千代田区らしい交流の光景のように感じられました。

Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

いらなくなった画材を巡らせながら、誰かの一歩を支え合う。画材循環プロジェクト「巡り堂」|こんなだった、なんだかんだ10

使われなくなった画材を集め、きれいに拭いて、次に使う人へと届ける。
一見すると何気ないリサイクル活動ですが、こうした営みからさまざまな人を支えている場があります。
それが、2022年に京都・亀岡で始まった画材循環プロジェクト「巡り堂」です。社会福祉法人松花苑が運営する「みずのき美術館」、国内で家財整理業を行う「一般社団法人ALL JAPAN TRADING」、アーティストの親谷茂さんの三者によって発足され、これまで活動を続けています。

巡り堂の主な仕組みは、押し入れや倉庫で使われずそのままになっている鉛筆やクレヨン、学校などで使われた絵の具など、いずれ廃棄されてしまう画材をまた新しい人の元へと繋ぎ、巡らせること。一度は役割を終えた画材をさまざまな人の手を介して、次の誰かの「つくること」へと繋げていきます。

この画材循環というアイデアの背景には、廃棄物を減らすことや、創作活動を支えることはもちろん、心の不調や生活に苦労している人が、人や社会と交わるきっかけとなる場をつくりたいという想いも込められています。
画材一つひとつを拭いて届け、利用者一人ひとりに寄り添ってきたこの3年間。画材が巡りゆく日々には、どのような歩みがあったのでしょうか。巡り堂を運営するみずのき美術館の奥山理子さんと奥岡なぎさんを迎え、実際に回収されてきた画材を囲みながらお話を伺いました。

▼巡り堂の立ち上げ経緯は、以下の記事もあわせてご覧ください。
https://opkd.jp/2025/04/30/ndkd9_report02/

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●小さな一歩に寄り添うこと

まず、今回のなんだかんだ10に先立って、神田ポートビルチームが巡り堂をより深く知ろうと、ある企画が実施されました。その名も「亀とヤギ」です。巡り堂の運営スタッフや、画材の清掃作業を行うメンバーの方と一緒にただ歩くというシンプルな試みでしたが、その時間に巡り堂の本質に触れるような体験がありました。

一体どういった時間だったのか、「亀とヤギ」を企画した神田ポートビルのクリエイティブディレクター・池田さんはこう話します。

「亀岡の障害者支援施設みずのきに集合して、隣町の南丹市八木まで、5kmほどの距離を歩きました。神社に寄ったり池を眺めたり、休憩にアイスを食べたり、ヤギが迎えに来てくれたり。途中でいろいろな出来事がありつつも、“みんなでただ歩く”だけの時間を過ごしたんです。
それだけのことでも、“ここを一緒に歩いたね”という思い出ができれば十分で。目的をつくると達成に意識が向きますが、“歩くだけ”にすると、途中で立ち止まったり不安になっても、他に目的や予定がないぶん、気持ちにきちんと向き合える。『あの曲がり角まで歩いてみようか』『車でもいいから一緒に行こうか』と、勇気を少しずつ引き出せるんですね。
そうした小さな一歩は彼らにとってとても大切なものですし、その一歩にそっと寄り添う理子ちゃんとなぎちゃんをはじめとするスタッフが本当に素晴らしく、巡り堂の日々を垣間見た気がして心を打たれました」(池田さん)

「ただ歩く」という提案を最初に聞いたときは、「巡り堂とどう関係があるんだろうと、ポカンとしました(笑)」と振り返る奥山さん。さらに巡り堂のメンバーに声をかけても、新たな試みへの不安から、参加者がなかなか集まらなかったそうです。

「それでも数人が勇気を出して参加してくれて、実際に歩く時間を過ごすうちに、池田さんの言葉が腑に落ちていきました。
何かに取り組むときにはつい意味を求めがちで、『できる・できない』といった軸で測ろうとしてしまいます。でも、巡り堂を続けることは、その判断軸を見直すことでもあると思うんです。今回も全員が最後まで歩けたわけではありませんが、“一緒に歩いた”という時間が共通の思い出として残ったことはとても大切だなと感じました」(奥山さん)

●画材を循環させることの裏側

この「ただ歩く」企画の背景には、池田さんが「巡り堂は画材を循環させるだけのプロジェクトじゃない」と気づいたことがありました。
「画材循環プロジェクト」と掲げている巡り堂ですが、その立ち上げには何があったのでしょうか。

「家財回収業者の方が『画材をもらってくれませんか?』とみずのき美術館を訪ねてきてくれたことがきっかけで、その瞬間“もうやりたくて仕方がない!”と思いました。
というのも、創作現場に画材を届けられる可能性を感じたからなんです。かつて障害者支援施設みずのきで絵画教室を開いていた頃は、画材を揃えることにとても苦労していました。少しだけ描いて納得いかないと捨ててしまうことも多く、すぐに材料が尽きてしまうんです。だから“素材を大切に扱い、最後まで描き切る”ことを教えていたといいます。でも本来は、もっと自由に画材を使い、好きなように描ける環境があっても良いわけで、そんな場が全国のケア施設やコミュニティに広がる光景を思い描き、絶対に届けたいと思いました」(奥山さん)

「それでプロジェクトを始めるにあたって、“メンバーの背中を押すようなとびきりかっこいいビジュアルがほしい”と僕に相談してくれたんですよね。制作当時は、“画材を大切に循環させる活動”が中心だと思っていたんですが、後からそれだけではないと気づいたんです。本当に目指していたのは、巡り堂のメンバーが画材を拭く作業を通して前向きになり、外の世界とつながるきっかけになることなんですよね」(池田さん)

「そうなんです。巡り堂の作業には、心の不調を抱えていたり日々の生活に苦労している人たちが中心に参加しています。家の中にいることが多いので存在が認識されづらいですが、社会との距離を感じていたり、金銭面や心の状態によって思うように社会に参加できなかったり、“引きこもり”という言葉だけで捉えきれないあらゆるケースを抱えた人が地域にたくさんいるんです。そうした人たちが一歩踏み出せる場をつくりたいと考えていた中で、画材をきれいにする作業が彼らの仕事になるんじゃないかと思ったんです。これが巡り堂のもう一つの思いです」(奥山さん)

画材を届けて自由に創作できることと、画材を通して社会への不安をほぐすこと。画材を循環させることには、そこに関わる人たちに二つのよい兆しをもたらしたいという思いが込められています。

「“巡り堂”という名前も、障害者支援施設みずのきの裏にあるお堂を活動拠点にしようという構想があったことから生まれたんですよね。その光景を想像してみるとすごく素敵だなと思って。お堂にみんな集まって、画材を黙々と拭いたり並べたりする作業は禅にも通じて、ものを生まれ変わらせることで自分も整っていく感覚があります。そんな“祈りのような行為”はケアにつながるんじゃないかと気づいて、この画期的なアイデアをもっといろいろな人に広めていくべきだと思ったんです」(池田さん)

●巡り堂の仕組みがもっと広がるために

そうして巡り堂の名刺代わりとして制作されたのが冊子とポスターです。冊子はこれまでの歩みを小説のようにまとめ、ポスターは巡り堂の流れが一目でわかるものを作成しました。しかし、巡り堂の伝え方については少し葛藤があったと言います。

「池田さんはなんだかんだの企画でも、“福祉”という言葉をあまり使わずに伝えていきたいと話していましたが、私も同じ思いがありました。最初からメンバーが丁寧に拭く姿を前面に出すより、まずは“画材を循環させる”という活動を知ってもらう方が、多方面に広がると思ったんです。
でも、これまでの3年にわたるメンバーとの日々は本当にドラマの連続で、悩んだことも嬉しかったことも数えきれないほどあります。特に、メンバーの仕事ぶりは本当に褒めどころばかりなのに、役所の方やご家族にさえ伝わりづらいんですよね。だからこそ、“今日のクレヨンの磨き方がとても素晴らしかったんですよ”と、私たちが伝えることはとても大事だと思っています。
本当に彼らがいなくては成り立たないプロジェクトですし、一つひとつ手を抜かずに拭いてきた日々があるからこそ今の巡り堂があるんだと池田さんからも言っていただいて、これまでの歩みをしっかり伝えようと思うようになりました」(奥山さん)

冊子とポスターの制作にも関わった池田さんは、巡り堂のアイデアにこそ可能性があり、多くの人に参考にしてもらいたいと言います。

「巡り堂の魅力は、使われなくなった画材を“きれいに拭く”というシンプルな構造だと思うんです。お金をかけずに誰でもできる、これ以上の企画はありません。“企画を考える”というより、“タダでできることはないかな”と発想してみると、アイデアが広がる可能性があるなと思って。福祉分野は特に資金面で悩む施設も多いと思いますが、発想のヒントにしてもらえるといいなと思ったんです」(池田さん)

そんな巡り堂のアイデアは京都を飛び出し、東京の福祉施設と連携して取り組みが広がっています。

「活動が広がるのは本当に嬉しいです。安心できる場を必要とする人は全国にいるはずなので、もっと増えるといいなと思います。
このアイデアの可能性をもう一つ付け加えると、“拭く”という行為が意外と大事で、場に居続ける理由になるんです。雑談しましょうと言われると緊張してしまう人も、拭く作業があるだけで自然と間が持てる。単調すぎず、ちょうどいい作業なんですよ」(奥山さん)

「回収される画材は本当に多様で、古くて用途が分からなかったり、持ち主の痕跡が残っているものもあります。私たちも画材に詳しいわけではないので、メンバーと一緒に“これはなんだろうね”“どう使ってたんだろう”と考える時間が多いんです。画材という共通のアイテムがあることで、上下関係なく自然にやりとりできることがいいなと思います」(奥岡さん)

その言葉を受けて池田さんが「これは皆さんにも体験してもらいましょう!」とひらめき、会場では実際に画材を拭く体験が始まりました。参加者は作業をしながらペアやグループをつくり、感じたことや日頃考えていることをぽつりぽつりと語り合います。

●拭くという行為が持つ力

参加者には、福祉支援や創作活動に関わる方も多く、日々の悩みを共有し合う場面も。対話が深まるほど手つきも洗練され、画材がみるみる磨かれていきました。

作業をしながら対話を重ねて気づけば一時間。初対面同士とは思えないほど穏やかな空気を感じつつ、奥山さんはこう振り返りました。

「まさに私たちの普段の作業時間そのもので、皆さんと共有できて嬉しかったです。アートやものづくりって、好きな人以外にとっては少し距離のあるものじゃないですか。実は私もそうで、みずのきの絵画教室も遡ると絵を描いていたのは入所者の一割ほどで、全員が共有できる時間ではなかったんです。つくる主体にならずとも、”つくること”に参加できる可能性はないだろうかと考えてきた中で、巡り堂はまさに最後のピースがはまった感覚でした。拭くという行為には、誰かの創作を支える力があり、初対面でも一緒に時間を過ごせる力があります。私がずっと求めていたのはこうした時間だったんだなと改めて感じました」(奥山さん)

巡り堂は立ち上げから3年が経ち、これからも小さいながらも確かな歩みを重ねていこうとしています。一方で、現状は一部行政の補助金などはあっても、大部分は自己負担で活動が行われており、来年度以降は確証されていません。そこで、少しでも自走できるよう、寄付の仕組みが新たに設けられました。寄付金は運営費やメンバーの作業工賃に充てられます。
https://megurido.com/#osaisen

「巡り堂では、メンバーが月に8〜10回、1日2時間ほど作業を行い、工賃をお渡ししています。少ない額ですが、時給制にしてノルマを感じてしまうよりも、無理ない範囲で働いて自分でお金を得る機会となるようにしています。少額でも私たちにとっては大きな支えなので、もしよかったらご支援いただけたら嬉しいです」(奥岡さん)

立ち上げ当初から巡り堂を見守ってきた池田さんもこう語ります。

「メンバーを応援するのはもちろん、日々寄り添って支える人たちも含めて応援したいんです。募金も、画材の寄付も、この活動を広めることも、巡り堂の応援になります。どんなかたちでも協力してもらえたら嬉しいなと思います」(池田さん)

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創作活動をしたい人、社会に一歩踏み出す勇気がほしい人、それらを応援したい人。
画材循環プロジェクトは、さまざまな人がさまざまなかたちで関わることができる器のような取り組みです。全員が直接顔を合わせることはほとんどないけれど、“画材が巡る時間”を共有する小さな共同社会のようでもあります。画材を介して、誰かを支え、誰かに支えられながら、一つのプロジェクトとして循環していく。たとえ小さな関わり方でも、画材が巡っていく確かな実感が、活動の兆しになっているように感じました。

なんだかんだも、さまざまなものや人が同じ場に混ざり合いながら出会う場です。巡り堂を応援し、その姿に学びながら、なんだかんだなりの歩みを重ねていきたいと思います。

Edit/Text: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

神田いらっしゃい百景|大屋書房

神田の街を歩くと次々に目に飛び込んでくるお店たち。色とりどりの看板や貼り紙は、街ゆくすべての人に向けて「いらっしゃい」と声をかけているようで、街の人の気風を感じることができるでしょう。

神田いらっしゃい百景は、街に溢れる「いらっしゃい」な風景をご紹介します。

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神田神保町・駿河台下交差点の前で、立派な浮世絵が目を引くここは明治期創業の大屋書房。
一見ではどんな本か想像がつきづらいけれど、よく見てみると、小説、学術・歴史書から、レシピ、日記、画集、旅行ガイドブックと、意外と身近なジャンルまで充実。 和本は当時の重要な情報元であり、現在に通ずるジャンルの多くは江戸時代から親しまれていたのだそう。
和本には背表紙がないため、代々の店主が直筆で帯を作成。見事な字配りは芸術的。
市場で偶然見つけたりある家に眠っていたり場所と時代を巡りに巡ったものがこの空間に詰まっている。 市場で入札したものが実は先々代が売った本だったこともあるのだそう。
和本の他に浮世絵や古地図もあり、壁一面は荘厳かつ華やか。 風景、暮らし、花鳥と季節ごとに変わるという展示はまるで美術館。
和本はもちろん新たにつくられることはないため、仕入れはいつも巡り合わせ。そう思うと、本そのものだけでなく“出会う”こともとてつもない価値が感じられる…。 幼い頃に「こんなにいい本が手に入ったんだよ」と喜ぶ父を見て興味を持ったように、まず自分自身が和本との出会いを楽しみながら、これからもその魅力を届けていきたいですね。(四代目店主 纐纈くりさん)
幾世代を巡りに巡って息づく江戸の魅力に、出会える奇跡がここにある。 そんな大屋書房のいらっしゃいな風景。

大屋書房
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1-1
アクセス:
地下鉄神保町駅より徒歩3分
JR・地下鉄御茶ノ水駅より徒歩8分

フォトグラファー 池ノ谷侑花
オープンカンダ撮影スタッフ。
ゆかいに入りたての頃に、
大屋書房三代目店主の纐纈さんのお父さまの撮影に
アシスタントでついて行ったのをとても覚えています。
あれからこうして私が撮影させていただいてるのはとても感慨深いものです。

“歓迎”が生む、まちのよい兆し。神田錦町 大歓迎会2025レポート

2025年7月4日(金)に「神田錦町 大歓迎会2025」が開催されました。神田錦町は、日本橋川を起点に人々が移り住み、商いを営むまちとして栄えてきた歴史を持ち、多様な人々を受け入れる“歓迎”の心が息づく地域です。

今回の「神田錦町 大歓迎会2025」は、そうした“歓迎”の精神を大切にし、地域内外の人々がつながり、ともにまちの未来を考える地域共創型交流イベントです 。スタートアップから大企業、学生、地域住民、行政まで、さまざまな立場の参加者が一体となり、神田錦町らしい「歓迎」の形がまちに現れました。そんな当日の様子をレポートします。

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会場となったのは、神田錦町に建つ複合施設「KANDA SQUARE」。2階のフロア全体使い、さまざまな人が集まりました。

イベントの幕開けを飾った企画は「ちょっと聴いてよひぐちさん」。樋口区長をはじめ、神田のまちづくりに長く携わるプレイヤーの方々が、地域の活動やお悩みを聞くコーナーです。
登壇者は、近隣の小学校に通う小学生から、神田錦町に惹かれて活動を広げる大学生、20年近く活動するベテランと、多彩な顔ぶれ。エネルギッシュなプレゼンに、プレイヤーからも熱のこもったコメントが寄せられました。

中でも、小学生から日頃励んでいるけん玉のパフォーマンスを披露してくれた後に、「もっと上手くなるために気軽に活動できる場所がほしいです」と切実な思いを直接プレイヤーに伝えられた場面が印象的でした。
このまちで誰がどんなことをしているのかを知った上での声は、同じ要望でも受け止め方が変わります。まちの人の思いを共有しながら、集まった皆さんと未来を考える貴重なひとときとなりました。

ステージの企画だけでなく、広い会場には神田でさまざまな活動をする企業や団体のブースがずらりと並びます。
オフィスを飛び出して大手企業とスタートアップ企業が隣り合い、さまざまな取り組みが一望できてなんとも壮観です。お祭りの屋台のようにフラットに並ぶと、垣根を越えた交流が自然と生まれていました。

ホール中央のバーカウンターでは、大学を拠点に活動する学生団体が来場者をおもてなし。ワーカーや地域住民とテーブルを囲み、年齢は違っても熱い想いを持つ者同士の会話が弾んでいました。

「神田錦町の未来を描く」コーナーでは、来場者の「神田錦町界隈でこんなことをしたい!」というアイデアを、なんとイラストレーターの方がその場で描いてくれるワークショップを実施。完成したイラストが次々とマップに配置されていき、まさに夢が広がっていました。

その他にも、本格的な書道体験や移動式の遊び場、紙芝居など、神田らしい昔遊びが大集合。神田錦町に縁のある方々が集まると、こんなにも多彩な体験ができることに驚きです。大人も子供も存分に楽しみ、微笑ましい空間が広がっていました。

さらに、近隣の五十稲荷神社による七夕祈願や神田祭の展示が会場を彩りました。
会が深まっていくと獅子舞やお神輿が登場し、神田っ子たちの血が騒ぐようなムードに。ご祈祷の後にはお神輿担ぎ体験もあり、顔馴染みの方もはじめましての方も一緒になって声を掛け合いながら会場を練り歩きました。

さまざまな人が集まり、それぞれの活動や思いが披露された「神田錦町 大歓迎会」。ここで歓迎されるのは人だけでなく、一人ひとりの願いや思いも迎え入れ、互いに応援し合う場が生まれていました。
別のフロアや隣のビルの活動など日頃は見えにくくても、こうした機会が一つあるだけで一気に距離が縮まります。そして、“迎え入れる”気持ちを持つことから、まちによい兆しが生まれていく気がしました。この日の生まれた歓迎の瞬間から、まちにどんな変化が育っていくのか楽しみです。

Edit/Text: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)

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