“歓迎”が生む、まちのよい兆し。神田錦町 大歓迎会2025レポート
2025年7月4日(金)に「神田錦町 大歓迎会2025」が開催されました。神田錦町は、日本橋川を起点に人々が移り住み、商いを営むまちとして栄えてきた歴史を持ち、多様な人々を受け入れる“歓迎”の心が息づく地域です。
今回の「神田錦町 大歓迎会2025」は、そうした“歓迎”の精神を大切にし、地域内外の人々がつながり、ともにまちの未来を考える地域共創型交流イベントです 。スタートアップから大企業、学生、地域住民、行政まで、さまざまな立場の参加者が一体となり、神田錦町らしい「歓迎」の形がまちに現れました。そんな当日の様子をレポートします。
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会場となったのは、神田錦町に建つ複合施設「KANDA SQUARE」。2階のフロア全体使い、さまざまな人が集まりました。

イベントの幕開けを飾った企画は「ちょっと聴いてよひぐちさん」。樋口区長をはじめ、神田のまちづくりに長く携わるプレイヤーの方々が、地域の活動やお悩みを聞くコーナーです。
登壇者は、近隣の小学校に通う小学生から、神田錦町に惹かれて活動を広げる大学生、20年近く活動するベテランと、多彩な顔ぶれ。エネルギッシュなプレゼンに、プレイヤーからも熱のこもったコメントが寄せられました。




中でも、小学生から日頃励んでいるけん玉のパフォーマンスを披露してくれた後に、「もっと上手くなるために気軽に活動できる場所がほしいです」と切実な思いを直接プレイヤーに伝えられた場面が印象的でした。
このまちで誰がどんなことをしているのかを知った上での声は、同じ要望でも受け止め方が変わります。まちの人の思いを共有しながら、集まった皆さんと未来を考える貴重なひとときとなりました。
ステージの企画だけでなく、広い会場には神田でさまざまな活動をする企業や団体のブースがずらりと並びます。
オフィスを飛び出して大手企業とスタートアップ企業が隣り合い、さまざまな取り組みが一望できてなんとも壮観です。お祭りの屋台のようにフラットに並ぶと、垣根を越えた交流が自然と生まれていました。






ホール中央のバーカウンターでは、大学を拠点に活動する学生団体が来場者をおもてなし。ワーカーや地域住民とテーブルを囲み、年齢は違っても熱い想いを持つ者同士の会話が弾んでいました。
「神田錦町の未来を描く」コーナーでは、来場者の「神田錦町界隈でこんなことをしたい!」というアイデアを、なんとイラストレーターの方がその場で描いてくれるワークショップを実施。完成したイラストが次々とマップに配置されていき、まさに夢が広がっていました。



その他にも、本格的な書道体験や移動式の遊び場、紙芝居など、神田らしい昔遊びが大集合。神田錦町に縁のある方々が集まると、こんなにも多彩な体験ができることに驚きです。大人も子供も存分に楽しみ、微笑ましい空間が広がっていました。





さらに、近隣の五十稲荷神社による七夕祈願や神田祭の展示が会場を彩りました。
会が深まっていくと獅子舞やお神輿が登場し、神田っ子たちの血が騒ぐようなムードに。ご祈祷の後にはお神輿担ぎ体験もあり、顔馴染みの方もはじめましての方も一緒になって声を掛け合いながら会場を練り歩きました。







さまざまな人が集まり、それぞれの活動や思いが披露された「神田錦町 大歓迎会」。ここで歓迎されるのは人だけでなく、一人ひとりの願いや思いも迎え入れ、互いに応援し合う場が生まれていました。
別のフロアや隣のビルの活動など日頃は見えにくくても、こうした機会が一つあるだけで一気に距離が縮まります。そして、“迎え入れる”気持ちを持つことから、まちによい兆しが生まれていく気がしました。この日の生まれた歓迎の瞬間から、まちにどんな変化が育っていくのか楽しみです。
Edit/Text: Akane Hayashi
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)