#3「写真+リズム」|写真家・白鳥建二さんと、リズミカルな神田の街歩き。【後編】
「〇〇のおともに」をテーマに、あるものとあるものをたし算することで広がる神田のたのしみ方を、その道のプロフェッショナルをお迎えして紹介する「おともにどうぞ」。
第三回のゲストには、美術鑑賞者・写真家の白鳥建二さんをお迎えし、写真を撮りながら神田の街歩きへ。全盲という立場から、独自の方法で美術鑑賞や写真活動を行う白鳥さんと一緒に歩いてみると、あらたな街の感じ方がありました。
今回は、街歩きに同行したオープンカンダのクリエイティブディレクター・池田晶紀さんがレポートをお届けします。
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さて、2日目もやってきました。「『動く』ということは、何かに気付くきっかけとして必要」と白鳥さんが話したように、ただただ歩いて歩いて歩き回ります。
この日は神保町からスタートして上野方面へ。このあたりは道が広くて歩きやすく、ぐんぐん進んでいきます。



途中ひとつ寄り道をして、「TOBICHI」というほぼ日さん本社の一階にあるショップへ!
このサイトでもご紹介したことがあるんですが、いつもおもしろいものを売ってるんですよ。
この日は美味しいコーヒーを売り出していたので香りをチェック!

それからご近所にある五十稲荷神社へ。ここの神社は小さくてかわいい。季節によってデザインが変わる御朱印がすっごく人気なんです。
1日目はスケールの大きなスポットを多く巡りましたが、このあたりもちょっと路地に入ると小さな出会いがたくさんあって楽しいんですね。

次は秋田犬に会えるギャラリー兼カフェの優美堂へ。
廃業してしまった額装屋さんを現代美術家の中村政人さんが、小さなアートセンターとして街に蘇らせた大人気のお店です。秋田犬の「ののちゃん」はものすごくいい子!


また少し歩いて、淡路町にある複合施設「ワテラス」へ。
一階にあるクラフトビールがたくさん揃った「WIZ CRAFT BEER and FOOD」で、さっそく水分補給となりました。


青空の下で飲むビールはどれももちろん美味い! でも、ふらふらにならない程度にして私たちはまだまだ歩きます。




線路沿いをずーーーっと歩いて…やってきました、ザがつくほどの秋葉原です。


秋葉原は、実は路面でお店の人と話したりするのが楽しいんですよ。


そしてどのお店も密度がすごい。目に飛び込む情報量もすごいけど、圧倒させる気迫のようなものがあってすごいんです。
秋葉原の大通りをまっすぐ歩いて、次は湯島へ! なんかいい感じの街並みです。きっと美味い小料理屋があるに違いなく、勘に従って探してみたくなります。


湯島からさらに上野方面へと歩くと、本当に不思議な光景が飛び込んできます。



そう、不忍池です。さっきまでお店がひしめき合っていたのが嘘のように、ぽっかり空が広がっていて神秘的!
白鳥さんは実は撮られているようで、これはこっそり撮ってますね! さすがです。
次はそろそろ軽くご飯でも食べましょうか、ということでアメ横方面へ。


なんだここは!?


アメ横は、いつまでもにぎやかで変なものもあって、やっぱりすごい!
でも、今日はさっき通った湯島が気になるので、戻っていいお店を探すことに。


嗅覚が惹かれて入った居酒屋「岩手屋」。もちろん大当たり! 地元の方に囲まれながら、優しい時間と美味しい食事が楽しめます。

白鳥さん、今日も遊びましたね、街歩き、お疲れさまです。
といった感じで、再び上野駅へ。水戸にお住まいの白鳥さんは、ここから一本で帰れます。


あっ! 特急電車でも飲んでました。。。
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「2日目で一番印象に残っているのは、湯島からアメ横エリアの雰囲気の違いですね。ちょっとした距離なのにこんなにも変わるんだと思って。街にいる人とかお店とかいろんな要素の違いだと思いますが、それが変わっていく様子は実際に歩いてみないとわからないことなのでおもしろかったですね」(白鳥さん)
動き続けたからこそ気付いたことをしっかり味わっていたようです。
さらに、「自分で実感したことを一番信用したい」と話す白鳥さん。しかし、喜びや驚きというのは些細であればあるほど、あっけなく記憶からこぼれ落ちてしまうものです。
そこで、今回のように目的もなく楽しめる人とただ歩き回り、そして自分の内側にある小さな機微に従って、ひたすらシャッターを切る。そうして残った写真は、きれいに撮れてはいないかも知れないけど、素直に楽しい時間が写るように思えました。本当に大発見です。
みなさんもぜひ、試してみてくださいね。
そんな白鳥さんの作品はオンラインストアで販売中です。ぜひチェックしてみてください。
神田ポート Stores
Text: Masanori Ikeda(YUKAI)
Photo: Yuka Ikenoya(YUKAI)
Edit: Akane Hayashi