より安全で、より快適な、あたらしい防災を考える|こんなだった、なんだかんだ8

防災とは、災害に備えること。それは、災害自体を「未然」に防ぐものから、被害の「拡大」を防ぐもの、被災からの「復旧」まで含めることがあります。
私たちは日々さまざまな災害と隣り合わせで生活していますが、じっくりと防災について考える機会はあまりないもの。そこで、9月1日を「防災の日」とし、そんな災害や備えについて理解を深める防災啓発デーに定められています。

いい時間といい出会いの場をつくることに取り組んできた「なんだかんだ」でも、9月1日に合わせてあたらしい防災アプローチを探求する場を企画しました。
テーマは、「快適な避難所」。必要な備えの中に、苦しい状況でも少しの快適さを得られるような知識やアイテムが神田ポートに集まりました。

当日は台風接近により、規模を縮小して安全を確保しての開催となりましたが、それもまた災害時の対応の一つ。あらゆる状況に応じて、備えておくべきこととは何か。いざという時に向けた、防災への心構えと準備の練習となりました。

〜〜〜〜〜〜〜

●現場のプロから、救命処置を改めて学ぶ
男性看護師集団・Nurse-Menの救命処置体験

会場の神田ポートには、横たわるマネキンが二体。もしこれがマネキンではなく、自分の目の前で突如倒れた人だとしたら…。人命救助の場面は、いつどこで起きるか当然わかりません。実際にその場に出くわした時、対応を調べているちょっとした間にも命の危険性が高まってしまいます。

ずいぶん前に講習を受けたきりで記憶が曖昧だったり、情報がアップデートされていなかったりという方も多いはず。そこで、全国各地で救護活動を行う男性看護師集団・Nurse-Menの皆さんによる救命処置体験が行われました。

まず、倒れている人がいたらどうするか。一刻一秒を争う救命処置ですが、まずは意識の確認、119番へ電話、AEDの確保…と迅速に対応しなければなりません。そのため、周囲に人がいる状況であれば、助けを呼ぶことがとても重要です。その時に「誰か」とお願いするのではなく、相手の目を見て「青いジャケットを着ている男性のあなた」「白いトートバックを持っている女性のあなた」と、自分だと認識してもらうこと、緊急時だからこそ丁寧に正確に声をかけることが大事になります。

ひと通りのレクチャーを受けた後は、いざ心臓マッサージとAEDの操作を実践。救急車が到着するまでの数十分間、かなりの力で押し続けなければなりません。骨が折れてしまうのでは…と初めは躊躇気味だった参加者も、「骨は折れても治るけれど、命が失われてしまってはどうにもならないので躊躇なく!」とNurse-Menの方の言葉でハッとしたように力が入ります。

AEDも日常生活でほとんど意識することがないので、どこにあるのか、どう使うのかわからないもの。ですが、いまのAEDは蓋を開けると手順をアナウンスしてくれるのでそれに従うことで初めてでも使うことができます。
使い方がわからずとも、「使い方はアナウンスしてくれる」ということを知っているだけで、焦りが一つ解消される。こうした些細なことでも知識として持っておくことで一秒でも早い対応につながると感じられました。

なにより、さまざまな現場を見てきたNurse-Menの方々の頼もしさが身に沁みるばかり。ほんの数分のレクチャーでいざという時に教えてもらった通りに動けるかというと不安ではありますが、ここで得た心強さを保ち続けられるよう折に触れておさらいしたいと思います。

〜〜〜〜〜〜〜

●備えがなくても、知恵を駆使してサバイバル!
防災ワークショップ 都市サバイバル編!身近なモノで生き残れ!!

救命処置の体験の隣では、被災地での移動式遊び場の展開や、防災教育などを手掛けるかーびーさんによる防災ワークショップ。災害時の都市で生き残るためのサバイバル術を体験型ワークショップにして伝授してもらいました。

地震が起きたらどう身を守るか、怪我人をどう運ぶか、避難所で食器がなかったり寒い時にどう工夫するか。あらゆるシチュエーションで、備えがないという時にも対応できる知識を教えてくださいました。

頭で理解した後は、身体に覚えさせることが何より大事。ということで、ワークショップ形式で実践へ!大人も子供も参加できるゲーム形式で、身体を動かしていきます。

例えば寒い時には紙を丸めて服の中に入れたり首に巻くと、それだけで防寒に。実際に服に入れてみると空気が閉じ込められる感覚がわかります。
ものの備えももちろん大切ですが、いつでも手を離れることのない知識を持つことの大事さも感じました。

〜〜〜〜〜〜〜

●いざという時に食べられるものではなく、いざという時に“おいしい”ものを
防災グッズ「ソナエテ」/「THE SOKO」販売

一階のスペースでは、防災グッズの販売が行われました。
一つ目のブースは、防災セットの「ソナエテ」とおいしさを重視した長期保存食「イザメシ」。
イザメシは、賞味期限が3年のものが多く、他社の保存食と比べると短めですが、これは味を重視してさまざまな食材を使用しているから。賞味期限が3年を越えると途端に使用できる食材が限られ、味のバリエーションもクオリティも狭まってしまうそうです。
さらに、栄養バランスが偏りがちな保存食の中で、イザメシは野菜たっぷりのメニューや台湾料理などバリエーションが豊か。純粋に食べてみたいものばかりで、保存食選びが楽しくなるラインナップでした。

防災袋セットの「ソナエテ」は、クリエイティブグループ・Bob Foundation監修によるインテリアとしても映えるデザインが魅力。袋はリュックとキットとポーチの3パターンがあり、中には本当に必要なものだけが揃っており、そこに自分なりに追加する余裕もあるそうです。なぜそれが入っているのか、なぜそれを選んだのか。理由を聞いていくうちに、自分にはどんな防災セットが必要なのかイメージが膨らんでいきました。

もう一つ目のブースは、神田錦町のオフィス向けの防災備蓄品ワンストップアウトソーシングサービス「THE SOKO 錦町」。安田不動産株式会社が株式会社Laspyとともに展開するオフィステナント向けの備蓄セットを、個人向けパックとして販売されました。
備蓄品のラインナップは、プロジェクトメンバーが実際に食べ比べて選んだおいしい保存食を揃えたセット。避難時は食事が限られるからこそ、味を楽しめることは気持ちをほぐす役割として非常に大事だと言います。クマのロゴマークもチャーミングで、目が合うとなんだかほっとしそうです。

防災グッズはいまやかなりの種類が展開されています。何を選べばいいか悩ましいかもないけれど、とにかく長く保存できるものだけでなく、長く保つものと、味が好みなものをそれぞれ備えておくという選択も大事だと感じました。そんな小さな判断の一つが、不安な心を支えるかもしれません。
そして、どちらのデザインも部屋の目立つところに置いてもおしゃれで映えるというのもポイント。いざという時にクローゼットの奥から取り出すのではなく、すぐ手の届くところに置いておきたくなることで、日々の安心感にもつながりそうです。

〜〜〜〜〜〜〜

●地域の方と防災でつながる
炊き出し/備蓄品の無償提供/テント「konoha」体験

他にも、災害・防災にまつわる体験やアイテムを展開しました。

会場に漂ういい香りは、神田錦町の地域の方に協力いただいた「炊き出し」。じゃがいもを蒸したり、揚げたり、チップスにしたり、さまざまな味でいただきました。お腹に溜まるとともに、地域の方につくってもらった温かみを感じます。
東日本大震災の時も町会のみなさんが協力し合い、おにぎりなどの炊き出しをしていたそう。防災というテーマを通して、神田錦町の人たちとの交流する機会となりました。

炊き出しの他にも、千代田区が備蓄している防災食や携帯トイレを来場者の方々になんと無償で提供。ハザードマップは頭に入れておきたいところです。

さらに、ほぼ日オリジナルのテント「kohaku」が登場し、テントの中でも楽しめる遊びを展開しました。テントがあるだけでわくわくするとともに、空間が仕切られている安心感もあります。遊びや息抜きも生活に欠かすことができない要素の一つ。避難所のテントを遊びの空間のために使うということも、とても大事な選択だと感じました。

〜〜〜〜〜〜〜

防災についてじっくりと考える機会となったなんだかんだ8。
何かを教えてもらうたびに心強さを感じ、知識はそれだけで大きな備えになると実感しました。また、災害時はさまざまな苦難が起きますが、苦難を取り除くことは難しくても、苦難をやわらげる術を持つことも非常に大事です。
もちろんこうした知識が活用されずにいることが望ましいですが、いつ何が起きるかはわかりません。だからといって後ろ向きにならず、今だからこそ備えられることにしっかり目を向けることが、被害や苦難を少しでもやわらげることにつながると感じました。
そんなことに気づかされながら、防災に取り組む方々の力強さに触れて、たくましさを分けてもらったなんだかんだ8でした。

Text/Edit: Akane Hayashi
Photo: Masanori Ikeda(YUKAI),
Yuka Ikenoya(YUKAI),
Mariko Hamano

オープンカンダ(以下、「当サイト」といいます。)は、本ウェブサイト上で提供するサービス(以下、「本サービス」といいます。)におけるプライバシー情報の取扱いについて、以下のとおりプライバシーポリシー(以下、「本ポリシー」といいます。)を定めます。

第1条(プライバシー情報)
プライバシー情報のうち「個人情報」とは、個人情報保護法にいう「個人情報」を指すものとし、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、住所、電話番号、連絡先その他の記述等により特定の個人を識別できる情報を指します。

第2条(プライバシー情報の収集方法)
当サイトは、お客様がご利用する際に氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報をお尋ねすることがあります。
当サイトは、お客様について、利用したサービス、閲覧したページ、利用日時、利用方法、利用環境(携帯端末を通じてご利用の場合の当該端末の通信状態、利用に際しての各種設定情報なども含みます)、IPアドレス、クッキー情報、位置情報、端末の個体識別情報などの履歴情報および特性情報を、お客様が当サイトのサービスを利用しまたはページを閲覧する際に収集します。

第3条(個人情報を収集・利用する目的)
当サイトが個人情報を収集・利用する目的は以下のとおりです。

お客様に、氏名、住所、連絡先などの各種情報提供
お客様にお知らせや連絡をするためにメールアドレスを利用する場合やユーザーに商品を送付したり必要に応じて連絡したりするため、氏名や住所などの連絡先情報を利用する目的
お客様に本人確認を行うために、氏名、生年月日、住所、電話番号などの情報を利用する目的
お客様に代金を請求するために、利用されたサービスの種類や回数、請求金額、氏名、住所などの支払に関する情報などを利用する目的
お客様が代金の支払を遅滞したり第三者に損害を発生させたりするなど、本サービスの利用規約に違反したお客様ーや、不正・不当な目的でサービスを利用しようとするユーザーの利用をお断りするために、利用態様、氏名や住所など個人を特定するための情報を利用する目的
お客様からのお問い合わせに対応するために、お問い合わせ内容や代金の請求に関する情報など当サイトがお客様に対してサービスを提供するにあたって必要となる情報や、お客様のサービス利用状況、連絡先情報などを利用する目的
上記の利用目的に付随する目的

第4条(個人情報の第三者提供)
当サイトは、次に掲げる場合を除いて、あらかじめお客様の同意を得ることなく、第三者に個人情報を提供することはありません。ただし、個人情報保護法その他の法令で認められる場合を除きます。

法令に基づく場合
人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき
公衆衛生の向上または児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき
国の機関もしくは地方公共団体またはその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき
予め次の事項を告知あるいは公表をしている場合

第5条(個人情報の開示)
当サイトは、お客様ご本人から個人情報の開示を求められたときは、ご本人に対し、遅滞なくこれを開示します。ただし、対応にあたっては、不正な開示請求による情報漏洩防止のため、適切な方法にてご本人確認をさせて頂きます。
お客様からの個人情報の開示請求にあたり、お知らせの手数料として別途実費を請求させて頂くことがございます。

第6条(個人情報の訂正および削除)
お客様は、当サイトの保有する自己の個人情報が誤った情報である場合には、当サイトが定める手続きにより、当サイトに対して個人情報の訂正または削除を請求することができます。
当サイトは、ユーザーから前項の請求を受けてその請求に応じる必要があると判断した場合には、遅滞なく、当該個人情報の訂正または削除を行い、これをお客様に通知します。

第7条(個人情報の利用停止等)
当サイトは、お客様本人から、個人情報が、利用目的の範囲を超えて取り扱われているという理由、または不正の手段により取得されたものであるという理由により、その利用の停止または消去(以下、「利用停止等」といいます。)を求められた場合には、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき、個人情報の利用停止等を行い、その旨本人に通知します。ただし、個人情報の利用停止等に多額の費用を有する場合その他利用停止等を行うことが困難な場合であって、本人の権利利益を保護するために必要なこれに代わるべき措置をとれる場合は、この代替策を講じます。

第8条(プライバシーポリシーの変更)
本プライバシーポリシーを変更する場合には告知致します。 プライバシーポリシーは定期的にご確認下さいますようお願い申し上げます。
本プライバシーポリシーの変更は告知が掲載された時点で効力を有するものとし、掲載後、本サイトをご利用頂いた場合には、変更へ同意頂いたものとさせて頂きます。

第9条(お問い合わせ窓口)
本サイトにおける個人情報に関するお問い合わせは、下記までお願い致します。
info@kandaport.jp

Open Kanda. All rights reserved.
Title logo: Daijiro Ohara