神田祭密着レポート|緊張の宮入り編
神田の街の一大祭事、「神田祭」が5月に斎行されました。
かつては江戸城内も巡行し、徳川幕府も支援した天下祭の伝統が受け継がれたこのお祭りは、祇園祭、天神祭と並ぶ日本三大祭りの一つです。氏子の人々にとって待ちに待った“ハレの日”であり、地域の心が一つになる場でもあります。
絢爛豪華な行列や、お揃いの半纏で練り歩く地域渡御など、神田祭は地元民でなくても高揚するもの。
今年は4年ぶりの開催ということで、当日を向かえる前からそわそわした空気が神田の街に漂っていました。そんな待ちに待った神田祭を、街の人たちと楽しみたい! あわよくば御神輿を担いでみたい! と意気込んだ「オープンカンダ」編集スタッフが神田祭をレポート。
第2回は、錦三丁目、猿楽町、神保町、小川町、錦連合の各町会の神輿がテラススクエアに大集結! そして神田明神での宮入りまでの貴重な風景をお届けします。
TOPIC
1.半纏を身につけたら担ぎ手の仲間入り
2.いざ出陣!担いでわかる、御神輿の重さと重み
3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
5.交差点で5基の御神輿がもみ合い…!
6.担いで歩いて食べて飲んでの町内渡御
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3.オフィスビルの下で近隣の御神輿たちと出発式
神田明神に向かう途中で、錦三丁目、猿楽町、神保町、小川町、錦連合の各町会の神輿がテラススクエア集合し、出発式を実施しました。オフィスビルに囲まれた空間が、神輿と担ぎ手に埋め尽くされ、がらりと様相を変えます。トラックの荷台で笛や太鼓を演奏する祭囃子の方々も登場し、さらに熱気が高まります。
5基の神輿が一堂に会すと、拍手が沸き起こります。半纏もそれぞれの町会で特徴が出ていてどれもかっこいい…!
ここでも前田会長からの挨拶があり、みんな揃って一本締め!
異なる町会の人とも一体感が生まれ、宮入りに向けて高揚が増していきます。
その後、神田明神に向かって再出発! 途中、神保町の大通りで神輿をトラックに乗せて御茶ノ水まで移動するという意外なシーンも。交通の規制や距離があるので、こういった神輿ワープも時には取り入れるのですね。担ぎ手と見守り隊はトラックを追いかけてぞろぞろと歩みを進めます。
御茶ノ水では子ども神輿にも遭遇! 一生懸命担ぐ姿が微笑ましい…。ちなみに、子ども神輿も同様、希望すれば地元の方以外でも担ぐことができます。
ワンコも応戦!
4.いよいよ担ぎ手だけが入れる宮入りへ!
神田明神に近づくにつれて、沿道には観光客の方の姿が見え始め、多くの警察が交通整理をしていました。外国人観光客もたくさん。さすが、日本三大祭です。
12時過ぎ、いよいよ錦三丁目の御神輿は神田明神へと接近! ベビーカステラや串もんじゃ、焼きそばなど屋台が並ぶ参道を通って大鳥居を抜けて境内へと向かいます。4年ぶりの宮入りに、掛け声にますます熱がこもる担ぎ手たち。見物客のギャラリーに見守られながら、神輿は進んでいきます。
境内に入ると一層厳かなムードに。神輿を神前まで近づけたあと、前田会長が壇上に上がり、「ようやく帰ってきました!」との第一声にみんなが感動。初参加の編集スタッフたちも思わず目を熱くしてしまいました。本殿前にて全員で参拝し、祓い清めます。そして、前田会長の掛け声で一本締め! 爽快な気分です!
神田祭は天平2年(730年)の神田明神創建から数えて約1280年続くお祭りで、その長い歴史の中で、不況や災害、戦争を乗り越えて江戸っ子たちが守り続けてきました。コロナ禍で4年という長い時間が空いたことで、神田っ子がこの日にかける想いや熱量は並々ならぬものと想像します。
この日のビッグイベントの宮入りを終えた後は、小川広場に移動するとおにぎりとお茶が配られてお昼休憩へ。神輿巡行はまだまだ続くので、しっかり腹ごしらえをして備えます。
Text: Kana YOKOTA(BAUM)
Edit: Akane HAYASHI
Photo: Masanori IKEDA, Yuka IKENOYA(YUKAI)